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【近代化】 江戸漢詩 【解釈】

1 :昌平黌門下:2007/03/24(土) 17:22:05 ID:/oajzayy
江戸の近世後期の漢詩をいろいろと見てみる。
中村真一郎著『江戸漢詩』を参考にしていただきたい。
江戸漢詩に興味のある人や自分なりの解釈をお持ちの方もどんどん
参加してください。
時代背景その他は2以降を参照のこと。


2 :昌平黌門下:2007/03/24(土) 17:37:00 ID:/oajzayy
松平定信による寛政の改革の時代以降、文化文政天保(1804〜1843)には
江戸の封建主義の慟哭から開放され近代化の兆しが見えてくる。
大きな進歩的な意味は昌平黌(現在の湯島聖堂)がある。
これは幕府の官立の大学である。町人や農民でも自由に勉強できる学校。
各藩にも学校ができて昌平黌に全国から秀才が集まる。卒業して各地に教師
となって移っていく。
藩の大学の先生になって武士階級になる。武士と言っても、もはや殿様の忠誠
が人生観の中心ではなく、クラスメイトの関係が強くなる。
すなわち縦の関係から横の関係になる。→近代化

3 :昌平黌門下:2007/03/24(土) 17:57:04 ID:/oajzayy
大学の先生でも一つの藩に勤めないで二つ三つの藩の大学に勤めるようになる。
自分の労働で金を稼ぐ(殿様から給料を貰うわけではない)。実力で金を取るように
なり結婚観も変わってくるのである。親が決める相手ではなく恋愛結婚が多く
なる。
例えば松崎慊堂という人に品川の遊女が夢中になった。学資をもってくれた。
慊堂が就職し支度金でその遊女と結婚した。正式の細君にするなんてもってのほか
という考えから進歩的な意識に変わってくる。
そういう流れから漢詩が急に新しくなってきた。
性霊派(せいれいは)はヨーロッパのロマン主義に似ている。











4 :名無氏物語:2007/03/24(土) 18:02:42 ID:4jLJEuXL
>>1
この本、昔読んだ。面白かったな。
現在の学校教育が近松や西鶴などのかな文学にばかり偏重しているが、
当時は寧ろ山陽など漢文学の方が読まれていた、などという論は眼から鱗だった。

5 :昌平黌門下:2007/03/24(土) 19:06:57 ID:/oajzayy
菅茶山(1748〜1827)は『黄葉夕陽村舎詩』を何巻も出した。江戸時代最大
の芸術的詩人。次の詩は水彩画のようなスケッチ、七言絶句。

即時
渓村無雨二旬餘
石瀬沙灘水涸初
満巷蝉聲槐影午
山童沿戸賣香魚

渓村雨ナク二旬余り、
石瀬(せきらい)沙灘(しゃだん)、水涸(か)レ初(そ)ム。
満巷ノ蝉声、槐影ノ午(ひる)、
山童、戸ニ沿ヒテ香魚ヲ売る。

谷あいの村に二十日あまりも雨が降らずに川の水も涸れはじめた暑い盛りの
真昼時、村じゅうに槐(えんじゅ)の木陰で蝉の鳴き声ばかりがうるさく
響くなかで静まりかえった道を家々の軒をつたって山から来た小僧が鮎を売って
歩いて行く。炎暑の日中で村人たちは何をする気力もなく昼寝でもしていて
街道には人影もなく聞こえるのは蝉の声と鮎売りの少年の呼び声ばかり・・・


6 :名無氏物語:2007/03/24(土) 19:13:50 ID:4jLJEuXL
>>5
「水涸初」は「水涸るるの初め」と読むべきでは?
「初」字は、魚韻で押韻する時の「〜する時」という意味の字ではないかと。

7 :昌平黌門下:2007/03/24(土) 19:24:47 ID:/oajzayy
詩人では芭蕉が第一人者ではあるが菅茶山もこれに匹敵する。
性霊派の詩人は関西は茶山、江戸では市河寛斎、『五山堂詩話』の菊池五山など
が挙げられる。『五山堂詩話』は詩だけでなく詩人の紹介、経歴、エピソード
を掲載した。
明治以後になって読まれなくなり一時埋もれたが昭和40年代以降になって
読まれる気運になってきた。
エルンストの『ヨーロッパ文学とラテン中世』を繙くと英、仏、独を一つに
して中世ラテン文学があったとされる。日本では漢詩が中国や朝鮮半島から
伝わった。普遍的な文学として読んでみるとそれまでに見られなかった都市
の爛熟した風俗の漢詩が見られる。

>>4
おっしゃる通りですね。私も江戸を再発見した気分になりました。


8 :昌平黌門下:2007/03/24(土) 19:26:45 ID:/oajzayy
>>6
ちょっと調べてみます。


9 :昌平黌門下:2007/03/24(土) 19:50:13 ID:/oajzayy
>>6
「初」は魚韻で押韻してます、「〜する時」の意味ですね、確かにそうでした。
例えば、「對酒初」も魚韻に押韻してますから、
酒に對する時、と読むのでしょう。
中村氏の読みを鵜呑みにしました。失礼。
これからもチェックお願いします。


10 :昌平黌門下:2007/03/24(土) 19:54:03 ID:/oajzayy
ちょっと間違いました。
「對酒初」は違いますか。読みでなく意味を書いたつもりですが
では読みはどうなるんでしょうか?


11 :名無氏物語:2007/03/24(土) 20:05:15 ID:4jLJEuXL
>>9
これはどうも御丁寧に。私も昔かじった程度なので・・・。
「對酒初」これも同じでしょうね。「酒に對するの初め」
「時」「初」「次」「處」などは、確か「〜する時」という意味だった様な記憶があります。
平仄や韻のある詩独自の用法でしょうね、多分。
中村氏は群書を渉猟していて、大変優れた学者だと思います。詩の語法は本当に厄介ですね。

ちなみに「涸れ始める」という意味を表す時には「水初涸」という文字の配置になるかと。

12 :昌平黌門下:2007/03/24(土) 21:20:28 ID:/oajzayy
「酒の對するの初め」ですか。なるほど。

水も涸れはじめた、という訳は間違いということになりますね。
水も涸れる時、ですね。

13 :「勇俊(冬のオイラ):2007/03/24(土) 21:29:08 ID:z5qJWiIY
       、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~  「日記が2chに晒されて大変だって?」
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}    逆に考えるんだ
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´   「2chが僕の日記帳になった」と
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ        考えるんだ
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {
              ′ / ! ヽ

14 :名無氏物語:2007/03/25(日) 01:26:35 ID:P2n90s6Y
中村氏の「江戸漢詩」

訳の白眉は江馬細香の「偶作」“三日不添鳧鴨火”

他に「奉次韻頼山陽先生戯所賜詩」の註の“道薀”

市河寛斎の「示“亥児”」

と聞いたことが・・・・

15 :昌平黌門下:2007/03/25(日) 16:40:39 ID:2miOKVKo
>>6>>11
富士川英郎著『江戸後期の詩人たち』を見ましたら、

「水涸れ初む」の読みになっていました。
訳文には
・・・涸れがれとなった
とあります。
中村氏はこの本に倣っている可能性もありますが、訳がちょっと
富士川氏と違います。
富士川氏も間違えたのでしょうか。


16 :名無氏物語:2007/03/25(日) 17:28:36 ID:VyD7I47C
>>13
側聞「冬のオイラ」横逆屢反,又聞其學乎二松學舎。有ゥ?然則何以爲之?
且夫此所以論江キ漢詩,務在談詩,非繪畫日乘也。有所欲書,誠宜因以題目!

>>14
詩の訳って難しいですよね。言葉を補い過ぎると、詩情が損なわれるし・・・。

>>15
こんにちは。その読みは恐らく「そむ」という日本語につられたものかと・・・。
しかし、訳文の方は「涸れがれとなった」でもおかしくはないと思います。
そして極論すれば、先の「涸れはじめた」でもおかしくはないのです。
ただ、動詞の直後にある「初」字を見て、「〜し始める」という語感を覚えるのは、語法上難しいかと。
何だか話がややこしくてごめんなさい。

これに類似した例としては、「春」「秋」などがあります。
それぞれ真韻、尤韻で押韻する時に常用される文字ですが、
「はる」や「あき」という季節自体には、あまり力点が置かれていない様で、
無論春に「春」字を使用するのですが、どうも「時」と同じ程度の意味合いの様です。
先韻の「天」字などもこれに似ていて、「そら」自体をあまり意識していない様な感じです。
詩には、韻を踏むという事情のためか、文章ではあまり見かけない語法が散見しています。特に下三字に於いて。


17 :昌平黌門下:2007/03/25(日) 17:34:33 ID:2miOKVKo
>>14
女流は後の方で見るつもりですが、この詩を読むかどうかわかりませんので
今見ますと、

三日不添鳬鴨火

三日添エズ、鳬鴨ノ火←読み

火鉢に火を足す気にもならず←訳
(香鴨、金鴨と言えば香炉の意であるが、ここは宮中でも豪家でもないので、
鳬鴨として火鉢を意味させたのだろう)
とあります。

以前に山陽から貰った詩に「重ネテ道薀に逢フハ、イヅコニ期セン。
洛水ノ春風、柳花ヲ起ス」の句があり、山陽は自らを晋の謝安、
細香を安の女姪の道薀になぞらえている。道薀は安の、
降る雪が何かと問われて、柳のわたが風に飛ぶのに喩えたのである。
↑この箇所でしょうか?

市河寛斎の詩はどの時期でしょうか?

18 :昌平黌門下:2007/03/25(日) 17:44:33 ID:2miOKVKo
>>16
>春に「春」字を使用するのですが、どうも「時」と同じ程度の意味合い
これは何となく分かります、現在の日本語にも残っているような気がします。


19 :昌平黌門下:2007/03/25(日) 19:05:26 ID:2miOKVKo
京都の梅辻春樵(しゅんしょう)(1776〜1857)の詩を見てみる。

劇ヲ観ル
隔街南北各開場
偏黨相争論短長
看劇併看看劇客
彩燈如晝簇紅粧

街ヲ隔テテ南北、各オノ開場シ、偏党アヒ争ヒテ短長ヲ論ズ。
劇ヲ看、併セテ看ル、看劇ノ客、彩灯昼ノゴトク、紅粧ムラガル。

京都の芝居街に数個の劇場が同時に開幕している。それぞれの贔屓の客は、
今月の何座が面白いと、議論を闘わせる。これがまた、観劇そのものに劣らない
愉しみなのである。そうして劇場に入ると、舞台も面白いが、色鮮やかな大提燈
の張り巡らしてある客席にも眼が行く。桟敷のなかには、着飾った女性たちが、
ひしめいていて、その眺めも胸を躍らせる。

恐らく詩人はそれらの、簪をきらめかせている佳人の群れのなかにお目当ての
人の横顔を探していたのだろう。
この詩人がお公家風に正装した肖像画もある。

おおむね詩人を分けると、
京都 王朝風の和歌の影響→
             →漢詩人
江戸 俳句の影響    →


20 :昌平黌門下:2007/03/25(日) 21:14:16 ID:2miOKVKo
>>14
「示亥兒」ですが、中村氏の訳は見つかりません。揖斐高氏の訳はあります。
市河米庵と頼山陽の交流について中村氏の記述はあります。
中村氏の訳ありましたらお願いします。
亥兒(米庵)

21 :昌平黌門下:2007/03/26(月) 19:45:33 ID:LiWMdutO
江戸の古賀穀堂(1777〜1836)『穀堂遺稾抄』に収められた詩。

黎明支枕起
繞陌賣書聲
改刻諸侯譜
新評三劇名

黎明ニ枕ヲ支ヘテ起クレバ、陌ヲ繞(めぐ)リテ書ヲ売ル声。
改刻ス、諸侯ノ譜。新評ス、三劇ノ名。

(武鑑の新版と一緒に江戸歌舞伎の三座すなわち中村座、市村座、森田座
の評判記も売り歩いていたのである)
朝、声を出して本を売っていた、本売りの声を聞いた。武鑑(紳士録)の
新刊が出た、役者の番付も共に。
夜ともなると、

暮夜喧如沸
歌謡行道人
新齣擬淨丑
高麗聲逼眞

暮夜、喧沸クガゴトク、歌謡ス、道ヲ行ク人。新齣(しんせき)、
淨丑(じゃうちう)ニ擬ス、高麗ノ声、逼真ナリ。

江戸の夜の街中は往来の人で喧騒を極めている。流行の歌謡曲を大声で歌って
通って行く者もいる。新作での悪役、高麗屋の声色を本物そっくりにやって
行く者もいる。この頃の高麗屋は五世松本幸四郎、仁木弾正やいがみの権太が
当り役であった。「逼真」という以上、穀堂先生も幸四郎のファンで平土間の
常連だったに相違ない。
*当時、客は酒を飲みながら芝居を観ていた。

22 :昌平黌門下:2007/03/26(月) 20:07:14 ID:LiWMdutO
>>14
中村氏の訳見つかりました。「示亥兒」ですが、

冬に似合わぬ晴れたいい日よりで、障子に照りつける陽ざしのために、
部屋のなかはまるで春のよう。勉強していても、ついのんびりと眠気が
きざして来て、伸びやあくびばかり。それを気ぜわしない息子が、腹が減った
昼飯が遅いじゃないかと、女中を呼んで叱りつけようとしている。昨夜の雨で
薪が濡れて、かまどの火がはかばかしく燃え上がらないのだ。
こんないい天気に腹を立てるんじゃないよ。

そうユーモアまじりにたしなめられている「亥児(ガイジ)」というのは
書家として一家を成した息子米庵、名は三亥のことである。

とありました。
揖斐高氏の訳文は亥児(米庵)が眠気を催し欠伸をするように書いています。
上記の中村訳はそのあたりを確定していません。

23 :名無氏物語:2007/03/27(火) 03:07:52 ID:Xbjx9wjr








24 :昌平黌門下:2007/03/27(火) 16:20:11 ID:N7Ot1xUw
菅茶山と頼山陽が人気があるようでしたら、特に多く取り上げてもいいと
思いますが。
一応予定として中村真一郎氏に沿った方向を考えています。

25 :昌平黌門下:2007/03/28(水) 16:07:12 ID:rUg4xobw
菅茶山のことは富士川英郎氏の著作にも触れなければならない。
『菅茶山』から抜粋してみよう。著者が広島県深安郡神邊町の黄葉夕陽村舎
を訪れた際のくだり。

天明の初頭に茶山によって建てられたこの黄葉夕陽村舎は、幸いにその後
約二百年たった現在もなお、ほぼその創設当時のままの姿で残っており、
いまでは特別史跡に指定されているが、むかしの山陽道だった往来に面して
立っている、その小さい、中国風の、風雅な表門をくぐると、そこから中門
まで約二十メートルばかり、南北にまっすぐな道がついていて、その両側は
いまは野菜畑になっている。そして中門に近く、向かって左手に「養魚池」
の跡があり、右側にはむかし塾生たちが起居していた槐寮の跡だという建物
が一棟残っているが、中門をくぐると、中庭があり、近くの高屋川から引き
こんだささやかな清流を距てて、のちに廉塾といった黄葉夕陽村舎が建って
いるのである。


26 :昌平黌門下:2007/03/28(水) 16:22:01 ID:rUg4xobw
つづき、

ところで、この黄葉夕陽村舎の現在の主人である菅好雄氏は私の旧知であるが、
前述の通り、昭和五十年八月に私がはじめて黄葉夕陽村舎を訪ねて、三十数年
ぶりに会った時も、同氏は快く私を迎えてくれたのであった。そしてその案内で
畳敷きの三部屋から成っているが、電気も水道もガスも通っていない、むかしの
ままの廉塾の講堂のなかに立って、その周囲の襖に貼られているさまざまの
文人たちの書画を眺めたり、いちばん東側の部屋につづいている、茶山の
考案になったという、板と細竹とを組み合わせて造った、ひろい、風雅な濡れ縁
のうえに立ったり、主人が書庫から出してきた茶山の遺品や、さまざまの文人墨客
の書画の類を見せて貰ったりしていると、私の思いは、当然のことながら、
二百年のむかしに遡っていたのであった。


27 :昌平黌門下:2007/03/28(水) 16:28:46 ID:rUg4xobw
そしてここに嘗て西山拙齋や頼春水や伊能忠敬や市河寛斎や伊澤蘭軒や
浦上玉堂や田能村竹田などが訪ねて来、ここに若き日の頼山陽が一年余り
住み込み、北條霞亭が同じく数年間、ここで塾生に教えていたのかと思うと、
やはり感慨は無量だったのである。

とある。

28 :昌平黌門下:2007/03/29(木) 19:24:47 ID:VdSEyIdl
菅茶山までの系譜(傍系省略)

(尾道屋初代)畠山五郎右衛門尉道元→荘左衛門尉道俊→

→(本荘屋初代)久治郎包好(菅波ト改姓)→久次郎包貴→

→久兵衛好永→(神辺高橋金右衛門ノ子)久助扶好(別家ス)→

→太中晉帥(茶山)

         「菅波氏世代之略記」及び「菅波本家世代之大略」による

29 :昌平黌門下:2007/03/29(木) 19:41:33 ID:VdSEyIdl
茶山の父菅波久助扶好は同じ神辺の高橋金右衛門という者の子であった。
扶好は本荘屋菅波氏の養子となり茶山の父となった。
高橋氏の系譜

高橋権右衛門種義→権右衛門長養→儀右衛門金保→金右衛門金豊→

→久助扶好(樗平)(本荘屋菅波氏ノ養子トナル)→太中晉帥(茶山)


30 :昌平黌門下:2007/03/29(木) 20:36:32 ID:VdSEyIdl
頼山陽撰の「茶山先生行状」には茶山の幼少時を述べて、
「先生、少小にして善く病む。而して喜んで書を讀み、詩を作る」とある。
江戸末期の著名な眼科医土生(はぶ)玄碩の口述をその門弟の水野慶善という
者が筆記した『師談録』には、
「菅茶山は備後中庄の農家に生まる。幼にして群児と牛を山林に牧す。群児、
嬉戯至らざる所なし。獨り茶山は唐詩選を手にして、朗誦して已まず。
遂に和田先生に従いて、醫となる」
だがこういう茶山にも青年時代には、一時道を外して遊楽に耽った時期があった
らしい。のちに古稀に達したときに自分の画像に題した文章のなかで
彼はそのことを回顧して、
「我が質の羸弱なる、但だ朝露の父母に先んぜんことを恐れ、百方、生路を尋ね、
祇(た)だ戯嬉、是れ狃(な)る。彦道(げんどう)に樗蒲(ちょほ)に随い、
樊川を花柳に逐う。既にして悔悟して、自ら新たにす」(もと漢文)
と言っているが、彦道は博奕の巧みであった袁彦道、樗蒲は博奕のことである。
樊川は言うまでもなく杜牧の号であって、「彦道に樗蒲に随い、樊川を花柳に
逐う」という言葉は、茶山が若いときに博奕をしたり、花柳の巷に遊んだり
したことを告白しているのである。茶山はそれを自分が羸弱の質で、いつ死ぬ
かも分からない状態にあったからそうなったのだと言っているが、実は茶山が
若かった頃の宿駅神辺には青年たちをそのような道へ誘い込むような雰囲気が
濃く支配していたことは、のちに茶山自身がその「郷塾取立に関する書簡」
のなかでも、語っているところである。
                  〜『菅茶山』富士川英郎より

31 :名無氏物語:2007/03/30(金) 02:32:37 ID:ovLudffm
神辺は今は福山市だね。
それから富士川さんの『菅茶山』という書は、
筑摩書房からのと福武書店からのとの二種類あって、
ここで引かれてあるのは福武書店の方で、
こまかいことのようだけれど明記すべきでしょう。
それから、揖斐、中村、富士川諸氏の著作を
むやみに書き写すのは、勞多くして益が少ないように思う。


32 :昌平黌門下:2007/03/30(金) 19:42:48 ID:MMv9bvzu
頼山陽(1780〜1832)は『日本外史』では硬派だが軟派の部分もあった。
芸者と花見をするつややかな詩。
「女郎詩」(お嬢さんの詩)と菅茶山から呼ばれる。

嵐山ニ遊ブ

春風吹雨過西渓
渓上游人路欲迷
女伴相呼聯袂去
紅裙半濕落花泥

春風、雨ヲ吹キ、西渓ヲ過ギ、渓上ノ游人、路迷ハント欲ス。
女伴アヒ呼ビ、袂ヲ聯(ツラ)ネテ去(ユ)キ、紅裙ナカバハ湿ル、落花ノ泥

訳は省略。

33 :昌平黌門下:2007/03/30(金) 19:57:11 ID:MMv9bvzu
揖斐高でググッたら揖斐高校が出てきてしまった。
揖斐さんて団塊の世代だった。

34 :昌平黌門下:2007/04/04(水) 18:07:19 ID:BClsmKSi
菅茶山は1748年の生まれなのでゲーテより1歳上。
マルキ・ド・サドより8歳下でモーツァルトより8歳上。

茶山の母半は1732年生まれだからハイドンと同じ年。

35 :昌平黌門下:2007/04/08(日) 22:39:06 ID:DVsB7Bb1
続けて頼山陽が四十歳になって転居して庭の茉莉花(ジャスミン)を遊び友だち
の医者小石元瑞に分けてやる時の詩、

一盆茉莉數花披
擬送嬌香侑晩巵
記否鳧川納涼夕
銀燈影裡看冰肌

一盆ノ茉莉、数花披(ヒラ)キ、嬌香ヲ送ツテ、晩巵ヲ侑(タス)ケント擬ス。
記スルヤ否ヤ、鳧川納涼ノ夕ベ、銀灯影裡ニ氷肌ヲ看シヲ


36 :昌平黌門下:2007/04/24(火) 21:25:19 ID:uhsS22k1
漢詩の平仄や韻をここで解説した方がいいですか?

>>13の冬のオイラさんが言うように日記になりようが無いです。
ただ、まずは提示していかないと話の取っ掛かりがありませんから。

考えていたのは
大窪詩佛、佐藤一斎、広瀬旭荘などの詩を取り上げていこうかと。
女流も江馬細香、張紅蘭、高橋玉樵など、と思っていました。

他のスレで参考になるものがありましたら教えてください。


37 :名無氏物語:2007/04/27(金) 17:43:24 ID:houMbh9d
解説するっていうより、どうせまた何かの本をくだくだしく引用するだけだろ。
いらないよ。
また大窪詩佛等を取り上げるっていうのも引用のことだろう?
版本(ないしは影印本)から、いまだ注釈されていない詩を読むというのなら、
「解説」や「取り上げる」とかいってもよいのだけどね。

38 :昌平黌門下:2007/04/27(金) 20:22:13 ID:pQ5E87vO
じゃあ詩を取り上げず詩人のエピソードとかですか。
もしくは周辺のこと、

もっともエピソードにしろ何でも本に載ってるものはつまらない、と。

注釈されてない漢詩は中村真一郎さんのように古本屋で漁ったものから
ということでしょうけど、難しいですね。
蠣崎波郷も本になってるし。

冬のオイラが言ったことが正しいようです。

でしたらここのスレを貴方に譲ります。
もしくはどなたか雑談に使ってください。私も覗かせてもらいます。


39 :名無氏物語:2007/04/28(土) 06:17:08 ID:xcY7E2+7
神保町に行けば和本などいくらでも転がっているし、近くに古本屋
がないのなら、「日本の古本屋」というサイトで簡単に注文できる。
影印本の類なら、『詩集日本漢詩』などの大きめの叢書もあって、
図書館から任意の箇所をコピーしてくればよい。「難しいですね」
といってしまう前に、少し考えればできることは沢山あると思う。
大体、注釈のついた江戸の漢詩なんていうのはほんのわずかなもの
なのだから、未紹介の作品などはいてすてるほど存在すると思う。
例えばあなたがいくつか書き写して下さった頼山陽の場合だと、
『頼山陽全書』という浩瀚な全集が活字で出ていて、たやすく入手
できるのだから、そこから面白そうなものを紹介し、解説してくれ
れば、有意義だろうと思ったまで。
きつい言い方になったのはあやまるが、他意はなかった。

40 :名無氏物語:2007/04/28(土) 06:21:26 ID:xcY7E2+7
詩人のエピソードということなら、『日本詩話叢書』全十巻など読んで、
紹介してくれるなら面白いと思う。とにかく中村真一郎や富士川英郎に
こだわる必要はないのでは?

41 :名無氏物語:2007/06/08(金) 20:58:52 ID:YQ2yotLc
良寛の詩を読んでたらいいのがあったよ。

可怜美少年
神姿何雍容
手把白玉鞭
馳馬垂楊中
楼上誰家女
鳴箏当綺窓
遥見飛紅塵
聯翩向新豊

怜む可し 美少年
神姿 何ぞ雍容たる
手に 白玉の鞭を把り
馬を馳す 垂楊の中
楼上 誰が家の女ぞ
箏を鳴らして 綺窓に当たる
遥かに見る 紅塵を飛ばし
聯翩として 新豊に向かうを

何か70年代の心象風景みたい。

42 :名無氏物語:2007/06/15(金) 16:33:57 ID:kUD9qgtu
江戸時代の漢詩を読むのに便利な漢和辞典ってなに?
「大漢和」とか、全○○巻みたいなの以外で。
数千円〜2、3万円位で買えるものがいいです。

43 :名無氏物語:2007/06/15(金) 23:30:39 ID:Fs5x5BNL
三万あれば大漢和買えるよ。

44 :名無氏物語:2007/06/16(土) 20:02:43 ID:7F4+ix0+
じゃあ、1万円以内でお願します。

45 :名無氏物語:2007/06/17(日) 20:52:12 ID:e2hvzkLm
とりあえず唐詩選、三体詩、古文真宝、蒙求あたりを読み込めば、
江戸漢詩の読解には有益だろうけど、一冊の小型辞書だけで
対応しようというのはすこし難しいと思う。
江戸漢詩だけでなく、古典全般にいえることだが、
あまり便利さを追い求めずに、じっくり取り掛かるのが
よいのではなかろうか。

46 :名無氏物語:2007/06/22(金) 01:06:55 ID:83OowNCR
林述斎

47 :名無氏物語:2007/06/24(日) 00:01:55 ID:k0VrTPJ9
>>42
漢詩は辞書を引いても読めないと思う。
>>45の意見が正しい。
古典を使った方が結局は近道。



48 :名無氏物語:2007/10/18(木) 16:15:21 ID:m0RUvAp7
で?

49 :名無氏物語:2007/11/22(木) 23:34:22 ID:Rz29WnX/
昌平こう門下がせっかくいいスレ作ったのに、
>>39とやらが妨害してこのスレ過疎ってたのか。
態のいい荒らしというか私物化だな。
全部自分の基準で指図するなんて論語から読み返すべきだ。



50 :名無氏物語:2007/12/28(金) 20:47:30 ID:NZwbc7ie
50 

51 :名無氏物語:2008/03/11(火) 23:09:04 ID:CVz/ENJX
これは良いスレですな。

52 :いおりあたん:2008/03/13(木) 00:09:57 ID:DyCd/E+4
>>42
確かに詩語は一般的な漢和辞典ではイメージがつかめないことが多い。
小さいものなら『新字源』『漢辞海』、大きいものなら『大漢和辞典』
『漢語大詞典』あたりは基本だと思う。

或いは>>45の言うように、直接古典に当たってみるのも有効だと思う。
たとえば佐藤保『漢詩のイメージ』(大修館)や『漢詩の事典』(大修館)
のように、詩語をイメージごとに分類したものなどがある。

また少々古いが、前野直彬『唐詩鑑賞辞典』(東京堂)などにも、
巻末に重要語彙索引が附されており検索の便をはかっている。

さらに本格的には『佩文韻府』『騈字類編』あたりは必備。

53 :名無氏物語:2008/07/02(水) 19:30:06 ID:cHl/D35X
age

54 :名無氏物語:2009/01/05(月) 15:18:47 ID:YEMqny2F
底age              

55 :名無氏物語:2009/06/15(月) 23:48:44 ID:E6GBuevo
石川忠久先生の本を読んでいたら、広瀬謙の詩に出くわした。
一気にファンになった。

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