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お気に入りの和歌はありますか? 巻第四十九

1 :名無氏物語:2009/08/27(木) 16:13:42 ID:NiyKVirV ?2BP(25)
お気に入りの和歌を書き込んでください。

過去スレ
お気に入りの和歌はありますか?
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お気に入りの和歌はありますか?巻第二
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お気に入りの和歌はありますか 巻三
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お気に入りの和歌はありますか 巻四
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お気に入りの和歌はありますか? 巻第十
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2 :名無氏物語:2009/08/27(木) 16:37:21 ID:jSSLJW5t
お気に入りの和歌はありますか? 巻第十一
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お気に入りの和歌はありますか? 巻第十二
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お気に入りの和歌はありますか? 巻第二十
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3 :名無氏物語:2009/08/27(木) 16:38:14 ID:jSSLJW5t
お気に入りの和歌はありますか? 巻第二十一
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4 :名無氏物語:2009/08/27(木) 16:40:04 ID:jSSLJW5t
お気に入りの和歌はありますか? 巻第三十一 
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5 :名無氏物語:2009/08/27(木) 16:41:05 ID:jSSLJW5t
お気に入りの和歌はありますか? 巻第四十一
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お気に入りの和歌はありますか? 巻第四十二
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お気に入りの和歌はありますか? 巻第四十三
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お気に入りの和歌はありますか? 巻第四十七
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お気に入りの和歌はありますか? 巻第四十八(前スレ)
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6 :名無氏物語:2009/08/27(木) 16:45:50 ID:jSSLJW5t
いろいろの虫の声聞きまどろめば千草の花ぞ夢に見えける(熊谷直好)

7 :名無氏物語:2009/08/27(木) 16:48:19 ID:jSSLJW5t
植槻や田中のもりの秋まつり初穂の濃さけ我酔ひにけり(熊谷直好)

8 :名無氏物語:2009/08/27(木) 17:36:06 ID:jSSLJW5t
あらしふく田中のもりの夕がらす宿りかねてもさわぐ声する(熊谷直好)

9 :名無氏物語:2009/08/27(木) 17:38:07 ID:jSSLJW5t
みとしろの初穂の濃酒はやしぼれ田中の杜は色づきにけり(熊谷直好)

10 :名無氏物語:2009/08/27(木) 17:39:56 ID:jSSLJW5t
夕日さす浜辺の薄分け行けばやがて赤穂の里も見えけり(熊谷直好)

11 :名無氏物語:2009/08/27(木) 17:41:07 ID:jSSLJW5t
白菊に黄菊をりそへ玉だれの小瓶に挿して見れどあかぬかも(熊谷直好)

12 :名無氏物語:2009/08/27(木) 17:42:20 ID:jSSLJW5t
夜もすがら松のほた火を焼きあかし藁沓打たん冬は来にけり(熊谷直好)

13 :名無氏物語:2009/08/27(木) 17:43:26 ID:jSSLJW5t
夜もすがら木の葉かたよる音きけばしのびに風のかよふなりけり(熊谷直好)

14 :名無氏物語:2009/08/27(木) 17:44:15 ID:jSSLJW5t
おともせでなびくを見れば桜花しのびにかよふ風もありけり(八田知紀)

15 :名無氏物語:2009/08/27(木) 17:45:39 ID:jSSLJW5t
わかれつる涙のひまに一め見し松原ごしのあけがたの波(熊谷直好)

16 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:03:51 ID:jSSLJW5t
風のおと濤のひびきにかよふまで早生ひのぼれ松よ小松よ(熊谷直好)

17 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:05:19 ID:jSSLJW5t
遅くとく皆わが宿に聞こゆなりところどころの入相の鐘(熊谷直好)

18 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:09:52 ID:jSSLJW5t
古郷はひとりひとりに別れ来て旅こそ友は親しかりけれ(熊谷直好)

19 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:10:51 ID:jSSLJW5t
東路のうまやうまやに相宿り親しくなりぬ知るも知らぬも(熊谷直好)

20 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:13:08 ID:jSSLJW5t
たれとなく草の枕をかりそめに行きあふ人も旅は親しき(中院通村)

21 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:14:17 ID:jSSLJW5t
古郷の山のすがたの山見ればたちかへりたるここちこそすれ(熊谷直好)

22 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:16:08 ID:jSSLJW5t
うき世にはかくる心はなけれどもわが山河に橋なくはあらず(熊谷直好)

23 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:17:12 ID:jSSLJW5t
里の子が沢に鴫罠はりしより心にかかり夜こそ寝られね(熊谷直好)

24 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:19:29 ID:CM4jmJkP
大原や小塩の山の小松原はやこだかかれ千代の影みむ(紀貫之[後撰])

25 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:52:55 ID:jSSLJW5t
おのづからおのが心を見る夢をはかなきものと何思ひけん(熊谷直好)

26 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:55:47 ID:jSSLJW5t
山の端のかすむばかりぞ濁りける雪とけゆくか谷川の水(高橋残夢)

27 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:56:58 ID:jSSLJW5t
山の端のかすむばかりをみ吉野の雪間の草も春や来ぬらん(藤原範宗)

28 :名無氏物語:2009/08/27(木) 18:59:06 ID:jSSLJW5t
鶯の鳴きて告げつるあしたより春の心はさだまりにけり(高橋残夢)

29 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:01:44 ID:jSSLJW5t
鶯の声を聞きつるあしたより春の心になりにけるかも(良寛)

30 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:05:21 ID:jSSLJW5t
春の夜の寝ざめに匂ふ梅が香の行方や夢の行方なるらむ(高橋残夢)

31 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:07:20 ID:jSSLJW5t
我が影の道に映るもかすむまでのどかになりぬ春の夜の月(高橋残夢)

32 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:09:17 ID:CM4jmJkP
あらたまの年たちかへるあしたより待たるるものは鶯のこゑ(素性[拾遺])

33 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:16:26 ID:jSSLJW5t
かへりみる都の山もかすむまで遠ざかりぬる淀の川舟(小沢蘆庵)

34 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:17:41 ID:jSSLJW5t
日の光に菅の小笠のかたぶきて植ゑし早苗に夕風ぞ吹く(高橋残夢)

35 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:19:18 ID:jSSLJW5t
ともすれば虫の声ふむここちして月の夜道は行きぞわづらふ(高橋残夢)

36 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:21:11 ID:jSSLJW5t
しきたへの枕辺ゆらにこぼれをる妹が黒髪見れど飽かぬかも(高橋残夢)

37 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:22:18 ID:jSSLJW5t
泣く宵は母が灯してなぐさめしその火のかげと見らんかなしも(高橋残夢)

38 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:23:37 ID:jSSLJW5t
さえわたる月のほかにも悲しきは遠ざかり行くふるさとの山(高橋残夢)

39 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:25:10 ID:jSSLJW5t
月清み入江わかれて我が来れば山のあなたに波の音する(高橋残夢)

40 :名無氏物語:2009/08/27(木) 19:29:45 ID:CM4jmJkP
友さそふ室の泊の朝あらしに声をほにあげて出づる船人(大江茂重[新拾遺])

41 :名無氏物語:2009/08/27(木) 20:52:06 ID:jSSLJW5t
葦鶴の声をほにあげて我が恋はあまの川原に今ぞふなづる(賀茂保憲女)

42 :名無氏物語:2009/08/27(木) 20:53:28 ID:jSSLJW5t
初雁も声をほにあげて慕ひきぬ天の戸渡る月のみ舟を(後水尾院)

43 :名無氏物語:2009/08/27(木) 20:54:30 ID:jSSLJW5t
行きかへる潮路は八重の霧の中に声を帆にあげてうたふ舟人(武者小路実陰)

44 :名無氏物語:2009/08/27(木) 20:56:18 ID:jSSLJW5t
小山田にすだく蛙の声のうちに小雨ふりきぬ春の夕暮(清水浜臣)

45 :名無氏物語:2009/08/27(木) 20:58:29 ID:jSSLJW5t
みづえさす桂の大木陰すずし夏はいつきの宮の朝風(清水浜臣)

46 :名無氏物語:2009/08/27(木) 20:59:49 ID:jSSLJW5t
むらさめのこの夕ぐれはかならずと思ひしことよ初ほととぎす(清水浜臣)

47 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:01:41 ID:jSSLJW5t
夕すずみ心へだてもなか垣に昼の暑さをかたりあひつつ(清水浜臣)

48 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:06:28 ID:jSSLJW5t
みそぎせしあと川柳一葉ちり二葉流れて秋風ぞ吹く(清水浜臣)

49 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:15:36 ID:CM4jmJkP
夕づく夜をぐらの山になく鹿のこゑの内にや秋は暮るらむ(紀貫之[古今])

50 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:16:39 ID:CM4jmJkP
身隠れてすだくかはづのもろごゑにさわぎぞわたる井手の川波(良暹法師[後拾遺])

51 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:24:00 ID:jSSLJW5t
釣の糸に吹く夕風のすゑ見えて入日さびしき秋の河づら(清水浜臣)

52 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:40:45 ID:jSSLJW5t
あげまきが背垂りの牛に尻かけて山のそば道笛吹きのぼる(清水浜臣)

53 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:45:01 ID:jSSLJW5t
秋風のふきすぎてゆくすゑみえて野沢の草に鴫たちぬなり(伏見院)

54 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:49:44 ID:jSSLJW5t
あげまきがかへる山路の笛のねも月もすみわたる足柄の関(村田春海)

55 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:51:41 ID:jSSLJW5t
わたの原ゆたにかすめる眉かきに神のみおもも今朝ぞ満りゆく(橘守部)

56 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:53:37 ID:jSSLJW5t
ましろなる沖のまゆかき見るときぞ妹が手風はいとど恋しき(曾禰好忠)

57 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:54:38 ID:jSSLJW5t
橘の小門のあはきが波間より生れし神代の月の影かも(橘守部)

58 :名無氏物語:2009/08/27(木) 21:58:59 ID:jSSLJW5t
下毛や二荒嶺おろし小夜更けて月影すごき那須の篠原(橘守部)

59 :名無氏物語:2009/08/27(木) 22:56:14 ID:jSSLJW5t
行くままにところかはれば珍しみ雪ふみ分けて雪を見るかな(橘守部)

60 :名無氏物語:2009/08/27(木) 22:58:19 ID:jSSLJW5t
女郎花時をも分かず咲きしかど今朝置く露ぞ秋の色なる(源通具)

61 :名無氏物語:2009/08/27(木) 23:00:46 ID:jSSLJW5t
驚かす荻の上葉の風の音にまだき露けき小野の篠原(俊成卿女)

62 :名無氏物語:2009/08/27(木) 23:01:56 ID:jSSLJW5t
鶯の声や氷に響くらん音立てそめつ谷川の水(柳原安子)

63 :名無氏物語:2009/08/27(木) 23:02:59 ID:jSSLJW5t
夜のほどの野分も知らず咲きにけり窓に取り入れし朝顔の花(柳原安子)

64 :名無氏物語:2009/08/27(木) 23:04:07 ID:jSSLJW5t
あさましの花の姿やをみなへし世をあき風に散りもはてなで(柳原安子)

65 :名無氏物語:2009/08/27(木) 23:04:55 ID:jSSLJW5t
夕風になくひよ鳥の声落ちて日かげさびしき杉の一むら(柳原安子)

66 :名無氏物語:2009/08/27(木) 23:07:16 ID:jSSLJW5t
鷺のとぶ川辺のほたで紅に日かげさびしき秋の水かな(衣笠家良)

67 :名無氏物語:2009/08/27(木) 23:07:19 ID:CM4jmJkP
もののふの矢並つくろふ小手の上に霰たばしる那須の篠原(源実朝[金葉])

68 :名無氏物語:2009/08/27(木) 23:09:20 ID:CM4jmJkP
氷だにとまらぬ春の谷風にまだうちとけぬ鶯の声(源順[拾遺])

69 :名無氏物語:2009/08/28(金) 06:40:30 ID:kQ7nOCwM
足柄も碓氷の嶽も遠ぞきて吾嬬を広うなす霞かな(橘守部)

70 :名無氏物語:2009/08/28(金) 06:41:31 ID:kQ7nOCwM
夕べ夕べ木の葉ふる音わびしきに紅葉する木は植ゑじとぞ思ふ(柳原安子)

71 :名無氏物語:2009/08/28(金) 06:42:47 ID:kQ7nOCwM
君ゆけば帰らむ日まで世の中に花も紅葉もあらじとぞ思ふ(柳原安子)

72 :名無氏物語:2009/08/28(金) 07:19:50 ID:kQ7nOCwM
むらぎもの心一つに思ふこと命のうちにいふひまもがな(柳原安子)

73 :名無氏物語:2009/08/28(金) 07:20:53 ID:kQ7nOCwM
うづもるる身は露霜のふる塚は春だに花の雪に隠れむ(柳原安子)

74 :名無氏物語:2009/08/28(金) 07:23:24 ID:kQ7nOCwM
夕月の射し入らぬまでかたぶきし軒端のつまぞ悔しかりける(秋園古香)

75 :名無氏物語:2009/08/28(金) 07:24:35 ID:kQ7nOCwM
大空にみちてさやけき月見れば神代なりけり神代なりけり(秋園古香)

76 :名無氏物語:2009/08/28(金) 07:25:37 ID:kQ7nOCwM
初霜にあたらぬ光を分かつらむ今宵の月のかたへさびしき(秋園古香)

77 :名無氏物語:2009/08/28(金) 07:26:24 ID:kQ7nOCwM
とひゆけばとひ来る友に逢ひにけり天霧る雪の中道にして(秋園古香)


78 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:38:04 ID:kQ7nOCwM
横浜にもろこし船の碇おろしいかにすれども去らぬ我が恋(秋園古香)

79 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:39:27 ID:kQ7nOCwM
長月の今宵の月の影みれば足らでもことは足る世なりけり(秋園古香)

80 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:40:25 ID:kQ7nOCwM
桜花散りても残ることの葉にいますがごとく我はつかへむ(秋園古香)

81 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:41:22 ID:kQ7nOCwM
ともに見し春を思へば桜花色も匂ひもなき心地して(秋園古香)

82 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:42:07 ID:kQ7nOCwM
老いらくは住む宿もなし久方の天にや行かむ海にや行かむ(秋園古香)

83 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:43:08 ID:kQ7nOCwM
信濃なる姨捨山の奧はいや隅田川原に捨てば捨てなん(秋園古香)

84 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:56:29 ID:kQ7nOCwM
春がすみ霧らふ夕べの春雨に垣内の梅の散りか過ぎなむ(鹿持雅澄)

85 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:58:06 ID:kQ7nOCwM
妹許と夜道を来れば吾が乗れる馬の足掻に桜花散る(鹿持雅澄)

86 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:58:53 ID:kQ7nOCwM
妹が家路近づくらしも天の川川瀬もさやに琴の音きこゆ(鹿持雅澄)

87 :名無氏物語:2009/08/28(金) 23:59:36 ID:kQ7nOCwM
月読の光を清みわたつみの手纏の玉の乱れあへる見ゆ(鹿持雅澄)

88 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:00:33 ID:kQ7nOCwM
夜さへに玉藻刈るべみ鳴門の海うづ潮白く月照りにけり(鹿持雅澄)

89 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:01:29 ID:kQ7nOCwM
小簾巻きて呑めども飽かず孕の海とわたる月の影浮べつつ(鹿持雅澄)

90 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:06:29 ID:vHfTGQ7Y
海中にかがよひ立てり降りそむる今日のみ雪の真白玉島(鹿持雅澄)

91 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:20:12 ID:vHfTGQ7Y
見わたせば大海の原に立つ霞奥かも知らに無き人思ほゆ(鹿持雅澄)

92 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:21:10 ID:vHfTGQ7Y
勇細鯨寄り来と大海の磯もとどろに船ぞとよめる(鹿持雅澄)

93 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:22:58 ID:vHfTGQ7Y
茵花にほへる妹が抑へ挿す小櫛の山は見れど飽かぬかも(鹿持雅澄)

94 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:23:41 ID:vHfTGQ7Y
男盛の時来向かふと初春を待ち歓べる時もありしを(鹿持雅澄)

95 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:24:51 ID:vHfTGQ7Y
吾が盛りくだつともよし吾妹子が玉の光儀の旧りずありせば(鹿持雅澄)

96 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:35:03 ID:vHfTGQ7Y
よろづ代の春のはじめとうたふなりこはしき島のやまと人かも(大田垣蓮月)

97 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:42:27 ID:vHfTGQ7Y
墨染の袖にも梅のかをりきて心げさうのすすむ夜半かな(大田垣蓮月)

98 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:43:09 ID:vHfTGQ7Y
梅が香にささぬ外面を唐猫のしのびて過ぐる夕月夜かな(大田垣蓮月)

99 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:44:15 ID:vHfTGQ7Y
有明のかすみに匂ふ朝もよしきさらぎころの夕月もよし(大田垣蓮月)

100 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:45:13 ID:vHfTGQ7Y
つれづれと春のながめの手すさびにむすびてながす軒の糸水(大田垣蓮月)

101 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:46:24 ID:vHfTGQ7Y
あけぬるかほのかすみつつ山のはのきのふの雲は花になりゆく(大田垣蓮月)

102 :名無氏物語:2009/08/29(土) 00:47:49 ID:vHfTGQ7Y
宿かさぬ人のつらさをなさけにておぼろ月夜の花の下ぶし(大田垣蓮月)

103 :名無氏物語:2009/08/29(土) 01:47:08 ID:vHfTGQ7Y
うらやまし心のままに咲きてとくすがすがしくもちる桜かな(大田垣蓮月)

104 :名無氏物語:2009/08/29(土) 01:47:56 ID:vHfTGQ7Y
日をさへし葉がくれ庵のうれしきはすこしもりくる夕月のかげ(大田垣蓮月)

105 :名無氏物語:2009/08/29(土) 01:48:49 ID:vHfTGQ7Y
ゆふづく夜ほのかにみゆる小板橋したゆく水にくひな啼くなり(大田垣蓮月)

106 :名無氏物語:2009/08/29(土) 01:49:40 ID:vHfTGQ7Y
すずみ舟よする堅田の浦風に月もゆらるる波の上かな(大田垣蓮月)

107 :名無氏物語:2009/08/29(土) 01:51:20 ID:vHfTGQ7Y
里の子がはたおる音もとだえして昼寝のころのあつき旅かな(大田垣蓮月)

108 :名無氏物語:2009/08/29(土) 01:52:21 ID:vHfTGQ7Y
朝風に川ぞひ柳ちりそめて水のしらべぞ秋になりゆく(大田垣蓮月)

109 :名無氏物語:2009/08/29(土) 01:53:06 ID:vHfTGQ7Y
いにしへを月にとはるる心地してふしめがちにもなる今宵かな(大田垣蓮月)

110 :名無氏物語:2009/08/29(土) 08:46:32 ID:vHfTGQ7Y
もち潮のさし出の磯にさし出でて月の光もみちてけるかな(大田垣蓮月)

111 :名無氏物語:2009/08/29(土) 08:47:17 ID:vHfTGQ7Y
岡崎の月みに来ませみやこ人かどの畑芋煮てまつらなむ(大田垣蓮月)

112 :名無氏物語:2009/08/29(土) 08:48:14 ID:vHfTGQ7Y
野に山にうかれうかれてかへるさを寝屋までおくる秋の夜の月(大田垣蓮月)

113 :名無氏物語:2009/08/29(土) 08:50:02 ID:vHfTGQ7Y
はらはらとおつる木の葉に交じりきて栗の実ひとり土に声あり(大田垣蓮月)

114 :名無氏物語:2009/08/29(土) 08:50:52 ID:vHfTGQ7Y
きぬたうつ音はからころ唐衣ころもふけゆく遠の山ざと(大田垣蓮月)

115 :名無氏物語:2009/08/29(土) 08:51:57 ID:vHfTGQ7Y
冬ばたの大根のくきに霜さえて朝戸出さむし岡崎の里(大田垣蓮月)

116 :名無氏物語:2009/08/29(土) 08:53:09 ID:vHfTGQ7Y
きのふこそ夏は暮れしか朝戸出の衣手さむし秋の初風(源実朝)

117 :名無氏物語:2009/08/29(土) 15:46:27 ID:vHfTGQ7Y
舟ばたに風のつぶてとうちつけて水にはかろき玉あられかな(大田垣蓮月)

118 :名無氏物語:2009/08/29(土) 15:48:06 ID:vHfTGQ7Y
埋火にさむさ忘れてねたる夜はすみれつむ野ぞ夢にみえける(大田垣蓮月)

119 :名無氏物語:2009/08/29(土) 15:49:15 ID:vHfTGQ7Y
たなそこに満ちてこぼるる豆みれば人たがひかとあやしまれけり(大田垣蓮月)

120 :名無氏物語:2009/08/29(土) 15:50:10 ID:vHfTGQ7Y
柴の戸におちとまりたる樫の実のひとり物思ふ年の暮かな(大田垣蓮月)

121 :名無氏物語:2009/08/29(土) 15:51:51 ID:vHfTGQ7Y
我しらじ背この袂のほころびはひきけん人ぞぬふべかりける(大田垣蓮月)

122 :名無氏物語:2009/08/29(土) 15:52:58 ID:vHfTGQ7Y
来ぬ人をまつの梢に月はいりて恋をせめくる風のおとかな(大田垣蓮月)

123 :名無氏物語:2009/08/29(土) 15:54:18 ID:vHfTGQ7Y
木の間よりほのみし露のうす紅葉おもひこがるる始めなるらむ(大田垣蓮月)

124 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:06:06 ID:vHfTGQ7Y
山里は松のこゑのみききなれて風ふかぬ日はさびしかりけり(大田垣蓮月)

125 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:07:03 ID:vHfTGQ7Y
手すさびのはかなき物をもちいでてうるまの市にたつぞわびしき(大田垣蓮月)

126 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:08:23 ID:vHfTGQ7Y
朝夕にはかなや何をもとめてかうるまの市に立ちさわぐらん(武者小路実陰)

127 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:09:40 ID:vHfTGQ7Y
あけたてば埴もてすさび暮れゆけば仏をろがみ思ふ事なし(大田垣蓮月)

128 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:10:30 ID:vHfTGQ7Y
死手の山ぼにの月夜にこえつらむ尾花秋はぎかつしをりつつ(大田垣蓮月)

129 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:11:38 ID:vHfTGQ7Y
いつかわがわたりもはてむねたる夜の夢より後のゆめの浮橋(大田垣蓮月)

130 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:12:20 ID:vHfTGQ7Y
死ぬもよししなぬもよろし又ひとつどうでもよしの春は来にけり(大田垣蓮月)

131 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:13:05 ID:vHfTGQ7Y
ちりほどの心にかかる雲もなしけふをかぎりの夕ぐれの空(大田垣蓮月)

132 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:32:57 ID:vHfTGQ7Y
願はくはのちの蓮の花のうへにくもらぬ月をみるよしもがな(大田垣蓮月)

133 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:37:06 ID:vHfTGQ7Y
すきまもる風なつかしき梅が香に春の朝戸はいそがれにけり(石川依平)

134 :名無氏物語:2009/08/29(土) 16:41:09 ID:vHfTGQ7Y
さらぬだに風なつかしき夏の夜のね覚に匂ふ軒のたち花(藤原隆信)

135 :名無氏物語:2009/08/29(土) 17:18:57 ID:vHfTGQ7Y
家とほし今はの心夕ばえにたゆたふ峯の花のしら雲(石川依平)

136 :名無氏物語:2009/08/29(土) 17:20:46 ID:vHfTGQ7Y
みづ枝さす庭のかつらの追風に影さへかをる夏の夜の月(石川依平)

137 :名無氏物語:2009/08/29(土) 17:22:32 ID:vHfTGQ7Y
太田川すずみがてらに小網させば波にぬれたる夕風ぞ吹く(石川依平)

138 :名無氏物語:2009/08/29(土) 17:23:55 ID:vHfTGQ7Y
白菊の咲けるやいづら籬のうちはただ月かげのかをるなりけり(石川依平)

139 :名無氏物語:2009/08/29(土) 17:29:49 ID:vHfTGQ7Y
いづれをか花とはわかむ長月の有明の月にまがふ白菊(紀貫之)

140 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:06:46 ID:vHfTGQ7Y
ながめわびし夕べの雲のたたずまひそれさへ惜しき秋の暮かな(石川依平)

141 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:07:43 ID:vHfTGQ7Y
賤の男がをしね刈り干す八手の上の夕日にそそぐむら時雨かな(石川依平)

142 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:09:15 ID:vHfTGQ7Y
山がつの八手に刈り干す麦の穂のくだけて物を思ふ頃かな(曾禰好忠)

143 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:12:00 ID:vHfTGQ7Y
下なきて軒ばにかへる家鳩のつばさの色に暮れそめにけり(石川依平)

144 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:14:25 ID:vHfTGQ7Y
こころみに都に出でてかへり見むわが山里もいまやかすむと(穂井田忠友)

145 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:15:20 ID:vHfTGQ7Y
瓦手にとり見れど見れどただいにしへの瓦なりけり(穂井田忠友)

146 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:24:26 ID:vHfTGQ7Y
我が袖は道よけあひし唐傘の雨のしづくに濡れにけるかな(穂井田忠友)

147 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:25:39 ID:vHfTGQ7Y
ふる年の星のひかりは消えゆきて今年の朝日さし昇るなり(大国隆正)

148 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:28:18 ID:vHfTGQ7Y
追ひつぎて花もながれむ角田川つつみの桜かげ青みゆく(大国隆正)

149 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:29:11 ID:vHfTGQ7Y
ひと声をききそめしより時鳥ただ大空のなつかしきかな(大国隆正)

150 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:30:28 ID:vHfTGQ7Y
はかなしと月や見るらむ昔よりかはらぬ空にかはりゆく世を(大国隆正)

151 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:31:30 ID:vHfTGQ7Y
大君のかはらぬ国にうまれきて昔ながらの月を見るかな(大国隆正)

152 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:32:27 ID:vHfTGQ7Y
見えにけり見えずなりけり雲早くしぐるる方の松のむら立ち(大国隆正)

153 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:34:23 ID:vHfTGQ7Y
しの簾高くかかげて長閑なる風の春をぞ宿に入れつる(中島広足)

154 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:42:42 ID:vHfTGQ7Y
咲きしより桜が中に身をおきて花より外の世をしらぬかな(中島広足)

155 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:43:46 ID:vHfTGQ7Y
さを鹿のわたりすぎたる山水に散りて流るる秋萩の花(中島広足)

156 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:48:09 ID:vHfTGQ7Y
浪の音はしたに騒ぎて明くる夜の霧しづかなる木曽の山川(中島広足)

157 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:49:28 ID:vHfTGQ7Y
汲む水に今朝よりまじる薄氷まだ釣瓶にはさはらざりけり(中島広足)

158 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:51:07 ID:vHfTGQ7Y
足柄の峰の浮雲うき立ちて神の御坂にはやさめぞ降る(中島広足)

159 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:52:33 ID:vHfTGQ7Y
かへりみるたびに梢の暮れそひてほのかになりぬ梅の林は(海野幸典)

160 :名無氏物語:2009/08/29(土) 18:53:49 ID:vHfTGQ7Y
夕がらす霞のうちになりにけり三つ四つふたつ行くと見しまに(海野幸典)

161 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:24:40 ID:vHfTGQ7Y
木々の葉に涼しと見つる夕風のやがて袂にそよぎぬるかな(海野幸典)

162 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:27:00 ID:vHfTGQ7Y
大空にただよふ秋の白雲のなど身にしみて寂しかるらむ(海野幸典)

163 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:28:20 ID:vHfTGQ7Y
何となく寂しくもあるか山の端の紅葉にひびく入相の鐘(海野幸典)

164 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:29:28 ID:vHfTGQ7Y
入日さす萱が軒端の山柿の色さへさびし秋の夕べは(海野幸典)

165 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:30:28 ID:vHfTGQ7Y
君まさばまさばとこそは思ひしかなきが嬉しき年もありけり(海野幸典)

166 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:31:30 ID:vHfTGQ7Y
千代よばふ鶴が音高し初春の松の色なる大空にして(千種有功)

167 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:33:16 ID:vHfTGQ7Y
庭のおもに和歌のうらわをまな鶴のまなぶみぎはと千代よばふなり(堯孝)

168 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:34:07 ID:vHfTGQ7Y
年をふるそのいしぶみのきえぎえに見えてぞ帰る天つ雁がね(千種有功)

169 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:34:09 ID:FlZy0zbU
音せぬが嬉しき折もありけるよ頼みさだめて後の夕暮(永福門院[玉葉])

170 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:34:56 ID:FlZy0zbU
薄墨にかく玉づさと見ゆるかな霞める空にかへる雁がね(津守国基[後拾遺])

171 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:42:56 ID:vHfTGQ7Y
これやその別れとかいふ文字ならん空に友なき春の雁がね(宗祇)

172 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:43:38 ID:vHfTGQ7Y
久かたの天つ空吹く風の上にことしも咲ける山桜かな(千種有功)

173 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:44:43 ID:vHfTGQ7Y
大堰河かへらぬ水に影見えてことしも咲ける山桜かな(香川景樹)

174 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:46:21 ID:vHfTGQ7Y
笋のすずしきふしぞ添はりけるあしたの露に宵の月かげ(千種有功)

175 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:51:48 ID:vHfTGQ7Y
そぼぬれて手飼の猫は帰りけりあはれ雨夜の撫子の花(千種有功)

176 :名無氏物語:2009/08/29(土) 19:57:20 ID:vHfTGQ7Y
秋風の吹きそむるより大空をあふぎて待ちし雁は来にけり(千種有功)

177 :名無氏物語:2009/08/29(土) 20:18:21 ID:vHfTGQ7Y
暮れゆけば月と花とになりにけり萩のかげゆく野ぢの玉川(千種有功)

178 :名無氏物語:2009/08/29(土) 20:20:54 ID:vHfTGQ7Y
暮るる野に残るもさびし秋萩の花のあととふさを鹿の声(千種有功)

179 :名無氏物語:2009/08/29(土) 20:22:27 ID:vHfTGQ7Y
きのふけふ冬めづらしき山里の木の葉の雨に雨やどりせり(千種有功)

180 :名無氏物語:2009/08/29(土) 20:24:11 ID:vHfTGQ7Y
ふりかくす雪うちはらひ仙人の名もかぐはしき花を見るかな(千種有功)

181 :名無氏物語:2009/08/29(土) 20:26:28 ID:vHfTGQ7Y
たよりあらば都へと思ふ落椎のみのはらはらと雨も降り来ぬ(千種有功)

182 :名無氏物語:2009/08/29(土) 20:28:17 ID:vHfTGQ7Y
あぢさゐの四ひらの花の宵ごとに我を待たせてうつろひにけり(千種有功)

183 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:12:01 ID:vHfTGQ7Y
うれしきに憂きに心のくだかれて恋こそ人の老いとなりけれ(千種有功)

184 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:14:41 ID:vHfTGQ7Y
山烏あけぬとつぐる一声に世はさまざまの音ぞ聞こゆる(千種有功)

185 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:26:50 ID:FlZy0zbU
大方は月をもめでじこれぞこの積もれば人の老いとなるもの(在原業平[古今])

186 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:27:39 ID:FlZy0zbU
たよりあらばいかで都へ告げやらむ今日白河の関は越えぬと(平兼盛[拾遺])

187 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:29:11 ID:vHfTGQ7Y
少女子が夏の衣のうすものを透りて白き月のかげかな(黒沢翁満)

188 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:30:25 ID:vHfTGQ7Y
夕立の雲にきほひて吹きすさむ風より雨の音になりゆく(黒沢翁満)

189 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:31:08 ID:vHfTGQ7Y
夕立の雲にきほひて涼しさのますげかたよるそがの河風(本居宣長)

190 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:32:13 ID:vHfTGQ7Y
いづこにか咲けると見れど花もなしこころの香なる梅にやあるらむ(大隈言道)

191 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:33:19 ID:vHfTGQ7Y
かへる雁帰りて春もさびしきに童のひろふ小田のこぼれ羽(大隈言道)

192 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:34:08 ID:vHfTGQ7Y
まどろめば野をちかづけて枕べにあるここちする菫さわらび(大隈言道)

193 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:35:30 ID:vHfTGQ7Y
春雨のこさめさびしみ瓢さへふるに音せぬ夕ぐれの宿(大隈言道)

194 :名無氏物語:2009/08/29(土) 21:37:05 ID:vHfTGQ7Y
咲く花を尋ねてゆけばいつよりか去年来し道に道はなりきぬ(大隈言道)

195 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:12:31 ID:pnxjHxfE
まどろめばよりそふ閨の柱さへ花の一木のここちこそすれ(大隈言道)

196 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:13:39 ID:pnxjHxfE
わがやどる竹の下道みち折れてむかへば花のおほむらの里(大隈言道)

197 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:14:48 ID:pnxjHxfE
花見れば花にも我が身見られけり友となるべき姿をもせで(大隈言道)

198 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:15:45 ID:pnxjHxfE
故郷の人にゆづりし家桜なほ我がものの心はなれず(大隈言道)

199 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:16:39 ID:pnxjHxfE
目のまへにまだ散るべくはなけれどもうつろはしげに花は見えきぬ(大隈言道)

200 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:17:34 ID:pnxjHxfE
いつよりか入相の鐘は鳴りつらむ心づきたる果ての一声(大隈言道)

201 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:18:24 ID:pnxjHxfE
流れくる花に浮びて戯えてはまた瀬をのぼる春の若鮎(大隈言道)

202 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:31:26 ID:pnxjHxfE
山吹の一重に咲くを愛でながら八重なる見れば八重ぞまされる(大隈言道)

203 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:33:15 ID:pnxjHxfE
大殿の高き軒端のつばくらめはるかに見れば今ぞ巣がくる(大隈言道)

204 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:35:30 ID:pnxjHxfE
猫の子の首の鈴金かすかにも音のみしたる夏草のうち(大隈言道)

205 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:44:10 ID:nZ9NDsTd
すまんちょい質問なんだが風へんって言うのかな?
左が風で右に貝の漢字なんて読むかわかりますか?


206 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 14:45:13 ID:pnxjHxfE
たそかれとわかずなりゆく橋のうへに声知る人のつどふ頃かな(大隈言道)

207 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:03:16 ID:pnxjHxfE
深山よりうつし植ゑにし山梨のましろき花ぞ夏はすずしき(大隈言道)

208 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:06:50 ID:pnxjHxfE
かげろふの羽づくろひも涼しきに茅が末をすぐる秋風(大隈言道)

209 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:08:01 ID:pnxjHxfE
きのふよりさらにも空の秋めきて色かはりこし日かげ月かげ(大隈言道)

210 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:08:53 ID:pnxjHxfE
秋立ちて鵙鳴く野べの静けさに萩のさかりはいつかとぞ思ふ(大隈言道)

211 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:09:43 ID:pnxjHxfE
わりて見るたびにおもしろしいついつも並べるさまの同じさや豆(大隈言道)

212 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:10:56 ID:pnxjHxfE
ただひとり夜ふけてゆけば行く月と我とのものぞ広き大路は(大隈言道)

213 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:14:21 ID:pnxjHxfE
かくれゐて我があと去らぬ影法師ゐならびてだに月を見よかし(大隈言道)

214 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:15:46 ID:pnxjHxfE
春暮れて永き日さびし山彦も独りごちだに今日はせよかし(大隈言道)

215 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:25:44 ID:pnxjHxfE
もろともに影を並ぶる人もあれや月のもりくる笹の庵に(西行)

216 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:30:01 ID:pnxjHxfE
かきくらし雨はふれども嶺の月こころのうちに出づる頃かな(大隈言道)

217 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:30:49 ID:pnxjHxfE
山寺の秋さびしらに仏達ただならびてもおはすばかりぞ(大隈言道)

218 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:31:55 ID:pnxjHxfE
山ふかみ人にも見えぬ鈴虫は秋わびしらにいまぞ鳴くなる(凡河内躬恒)

219 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:33:34 ID:pnxjHxfE
童どち悪び戯れ一つだに咲けば摘み取るきちかうの花(大隈言道)

220 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:52:38 ID:pnxjHxfE
答へする声おもしろみ山彦を限りもなしに呼ぶわらはかな(大隈言道)

221 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 15:55:10 ID:pnxjHxfE
いくばくの劣り勝りも見えぬ子の負へる負はるるあはれなるかな(大隈言道)

222 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:01:35 ID:pnxjHxfE
幼げもはやなくなれる童さへ背に負はるるや楽しかるらむ(大隈言道)

223 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:03:48 ID:pnxjHxfE
空せまく見ゆる市路は見るたびに過ぎぬるあとの初雁の声(大隈言道)

224 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:04:57 ID:pnxjHxfE
はてもなき山の裾野のすすき原とほくゆけるは夕日のみして(大隈言道)

225 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:06:49 ID:pnxjHxfE
目のまへにひとつ落ちたる松の実のさらにも落ちず暮るる今日かな(大隈言道)

226 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:09:24 ID:pnxjHxfE
これのみや今日はありつることならむ松の実一つ落ちし夕ぐれ(大隈言道)

227 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:30:55 ID:pnxjHxfE
秋ふけて湊辺寒くなりぬらむ蕎麦うりめぐるさ夜中の舟(大隈言道)

228 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:36:50 ID:pnxjHxfE
東山のぼりも果てずまづ見れば都のしぐれ鳥羽にすぎゆく(大隈言道)

229 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:38:03 ID:pnxjHxfE
海ひろき勝浦の浦の沖にいでてふりはなちたる初時雨かな(大隈言道)

230 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:39:54 ID:pnxjHxfE
思ふどち語らひやめて小夜中の時雨にのみも音せさせけり(大隈言道)

231 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:04:49 ID:pnxjHxfE
ただ一つのこるともしび火ながらも冬の夜更けて光ぞ寒けき(大隈言道)

232 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:06:47 ID:pnxjHxfE
霜むすぶ袖のかたしきうちとけて寝ぬ夜の月の影ぞさむけき(源通具)

233 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:09:14 ID:pnxjHxfE
起き出でてわが寝温めの麻衾をしくもさます冬のあかつき(大隈言道)

234 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:11:12 ID:pnxjHxfE
窓に窓むかひあひたる大船の一夜どなりのなつかしげなる(大隈言道)

235 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:12:04 ID:/xX9G/vw
ゆくゆくも時雨にぬれて見入るれば焚く火にあたる家もありけり(大隈言道)

236 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:14:16 ID:/xX9G/vw
妹が背にねぶる童のうつつなき手にさへめぐる風車かな(大隈言道)

237 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:15:45 ID:/xX9G/vw
今日見れば少女になりぬ去年までは一足しても飛びしならずや(大隈言道)

238 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:17:29 ID:/xX9G/vw
さかしらに笑ひ語らひおとなにも我なり顔の郷のをとめ子(大隈言道)

239 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:18:26 ID:/xX9G/vw
松の間の夕日にひかるささがにの絶えぬと見えてつづく糸かな(大隈言道)

240 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:20:46 ID:/xX9G/vw
おのがゐる枝のゆらぎに身をはねてとほき杪にわたる山狙(大隈言道)

241 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:24:56 ID:/xX9G/vw
しぶしぶに馬鍬引く小田の特牛打たれぬ先に歩めと思へど(大隈言道)

242 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:38:57 ID:/xX9G/vw
衾さへいと重げなる老の身の寝るがうへにも寝る猫まかな(大隈言道)

243 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:40:30 ID:/xX9G/vw
かずしらぬ魚の命は板の上の刀の跡にしるしぬるかな(大隈言道)

244 :名無氏物語:2009/08/31(月) 14:41:29 ID:/xX9G/vw
引きつれて大路いづなり馬車また馬車牛車牛(大隈言道)

245 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:22:24 ID:/xX9G/vw
紀津川に安治川に入る船の帆の行く方わかつ住吉の沖(大隈言道)

246 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:24:21 ID:/xX9G/vw
風ふけば空なる星も灯のうごくがごとくひかる夜半かな(大隈言道)

247 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:25:23 ID:/xX9G/vw
手にだにもすゑて見るべき妹が島はるかに細く幼なげにして(大隈言道)

248 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:27:10 ID:/xX9G/vw
浮かべつつゆくとはなしに月のうへをただ過ぎにのみ過ぐる川水(大隈言道)

249 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:28:54 ID:/xX9G/vw
夕日かげ半ばも海に入る時ぞうねうね光る沖のさざなみ(大隈言道)

250 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:30:09 ID:/xX9G/vw
人なげに目のまへをしもゆきかひて塵さへわれを軽めつるかな(大隈言道)

251 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:43:01 ID:/xX9G/vw
旅人の道ゆく笠の上にさへ侮づらはしく居る蜻蛉かな(大隈言道)

252 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:43:53 ID:/xX9G/vw
世の中のわりなさ聞けば人知れず空手ににぎる手のうちの汗(大隈言道)

253 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:45:39 ID:/xX9G/vw
いたづらに我が身フルゴロオトガラス水に虫あることも知らずて(大隈言道)

254 :名無氏物語:2009/08/31(月) 15:47:42 ID:/xX9G/vw
いつしかと我がとりなれて後ろ手の老のすがたは誰にならひし(大隈言道)

255 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:12:01 ID:/xX9G/vw
いつよりか開けながらの窓の書風ばかりこそもてあそびけれ(大隈言道)

256 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:13:53 ID:/xX9G/vw
木の間より夕日のかげのさす時ぞはじめて明かき松の間の窓(大隈言道)

257 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:41:37 ID:/xX9G/vw
今日もまた我が家に我が身かへりきぬ限りの門出いまだ来ずして(大隈言道)

258 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:43:17 ID:/xX9G/vw
ともすれば語らひどちのものがほに膝いだかれて眺めをぞする(大隈言道)

259 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:44:16 ID:/xX9G/vw
つくづくと手ぶさ老いたる程を見てあたり憂げなる埋火の上(大隈言道)

260 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:46:01 ID:/xX9G/vw
山べより帰るわが身を送り来て開くれば門を月も入りけり(大隈言道)

261 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:48:09 ID:/xX9G/vw
今はとてうち寝る時は命さへわが身とともに伸ぶかとぞ思ふ(大隈言道)

262 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:48:52 ID:/xX9G/vw
品たかきことも願はずまたの世はまた我が身にぞなりて来なまし(大隈言道)

263 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:49:56 ID:/xX9G/vw
春を待つ人にや見せむ灘の浦の雪の中なる花さくら鯛(大隈言道)

264 :名無氏物語:2009/08/31(月) 16:51:25 ID:/xX9G/vw
住吉の神のともし火かすむなり御津の浜辺に春やたつらむ(八田知紀)

265 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:24:33 ID:/xX9G/vw
朝日さすひむがし山の面影も遥かに霞む春は来にけり(八田知紀)

266 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:25:31 ID:/xX9G/vw
とほ妻のたよりに聞くぞなつかしき木幡の里の梅の初花(八田知紀)

267 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:26:28 ID:/xX9G/vw
いめびとの伏見の里を朝ゆけば梅が香ならぬ風なかりけり(八田知紀)

268 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:27:34 ID:/xX9G/vw
さく梅の匂ひのうちになりにけり伏見の里の春の夜の月(八田知紀)

269 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:28:34 ID:/xX9G/vw
世の中の春をはなれて山桜すさまじきまで見ゆる色かな(八田知紀)

270 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:29:49 ID:/xX9G/vw
吉野山霞のおくは知らねども見ゆる限りは桜なりけり(八田知紀)

271 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:32:12 ID:/xX9G/vw
うつせみの我が世の限り見るべきは嵐の山の桜なりけり(八田知紀)

272 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:33:49 ID:/xX9G/vw
野に山にあくがれはてし魂もこの一枝にかへりぬるかな(八田知紀)

273 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:50:23 ID:/xX9G/vw
よも山にあくがれぬべき此ごろの心おちゐる家桜かな(下河辺長流)

274 :名無氏物語:2009/08/31(月) 17:51:15 ID:/xX9G/vw
卯の花の白がさねして神山のみあれ見に行く今日にもあるかな(八田知紀)

275 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:08:16 ID:/xX9G/vw
大比叡の峯に夕ゐる白雲のさびしき秋になりにけるかな(八田知紀)

276 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:10:58 ID:/xX9G/vw
秋萩の下葉そめむとふる雨の寒き夕べに雁なきわたる(八田知紀)

277 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:18:02 ID:/xX9G/vw
かくれがも月の訪ふ夜はしかすがに心にさはる八重葎かな(八田知紀)

278 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:19:18 ID:/xX9G/vw
南淵の細河まゆみたつ霧の色までそめて暮るる空かな(八田知紀)

279 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:21:22 ID:/xX9G/vw
鳥が音におき出でてゆけば山科の岩田のを野に柞ちるなり(八田知紀)

280 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:49:59 ID:/xX9G/vw
しづかにも暮れわたるかな水鳥の折々はぶく音ばかりして(八田知紀)

281 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:51:23 ID:/xX9G/vw
白雪の中に流るるみこし路のにひがた河は見るにさやけし(八田知紀)

282 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:54:15 ID:/xX9G/vw
あさづく日にほへる時に久方の天のかぐ山見るがたふとさ(八田知紀)

283 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:55:43 ID:/xX9G/vw
暁の枕の上にひびくなり飛鳥の森の八ひら手のこゑ(八田知紀)

284 :名無氏物語:2009/08/31(月) 18:57:06 ID:/xX9G/vw
宿るべき麓の里に聞こゆれどかなしきものか入相の鐘(八田知紀)

285 :名無氏物語:2009/08/31(月) 19:11:48 ID:/xX9G/vw
かぎりなく並木の松の見ゆるかな嵐の下に日をや暮らさむ(八田知紀)

286 :名無氏物語:2009/08/31(月) 19:15:54 ID:/xX9G/vw
天草の上にかがやく夕づつの隠れぬほどに舟は漕ぎてよ(八田知紀)

287 :名無氏物語:2009/08/31(月) 19:57:49 ID:/xX9G/vw
茜さす夕日のなごり去りがたみ焦がれて見ゆる浪の上かな(八田知紀)

288 :名無氏物語:2009/08/31(月) 20:00:17 ID:/xX9G/vw
のどかにも太刀の緒ときて我が君のあたり近くも寝たる夜半かな(八田知紀)

289 :名無氏物語:2009/08/31(月) 20:01:47 ID:/xX9G/vw
牛飼の子らにくはせと天地の神の盛りおける麦飯の山(平賀元義)

290 :名無氏物語:2009/08/31(月) 20:04:23 ID:/xX9G/vw
柞葉の母をおもへば児島の海逢崎の磯なみたち騒ぐ(平賀元義)

291 :名無氏物語:2009/08/31(月) 20:06:18 ID:/xX9G/vw
大井川あさかぜ寒み大丈夫と念ひてありし我ぞ鼻ひる(平賀元義)

292 :名無氏物語:2009/08/31(月) 20:09:22 ID:/xX9G/vw
妹が手を鳥羽の島のあさかぜに暁のみし酒さめにけり(平賀元義)

293 :名無氏物語:2009/08/31(月) 20:10:45 ID:/xX9G/vw
梅の花恋ひもつきねば高おがみ雪をふらせて我を偲ばすも(平賀元義)

294 :名無氏物語:2009/08/31(月) 20:13:40 ID:/xX9G/vw
久方の天の金山加佐米山ゆきふりつめり妹は見つるか(平賀元義)

295 :名無氏物語:2009/08/31(月) 21:10:34 ID:p3xafiPg
>>293
残念!だったな。
俺は、4代前から、東京生まれの東京育ちの、正真正銘の日本人だ。
お前こそ、朝鮮で生まれて、朝鮮で育った、正真正銘のチョンだろうが。

296 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:28:44 ID:mZ1ARry9
父の峰雪ふりつみて浜風の寒けく吹けば母をしぞ思ふ(平賀元義)

297 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:32:11 ID:mZ1ARry9
丈夫はいたもやせにき梅の花心つくして相見つるかも(平賀元義)

298 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:33:23 ID:mZ1ARry9
思ふ子に別れて行けば春の夜の月かげくらし倉敷の村(平賀元義)

299 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:35:48 ID:mZ1ARry9
花守は心許しついざ吾妹上枝の梅をここに手折らむ(平賀元義)

300 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:37:12 ID:mZ1ARry9
皆人の得がてにすとふ君を得て君率寝る夜は人な来りそ(平賀元義)

301 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:38:24 ID:mZ1ARry9
きも向ふこころの中を居待月あかして談る今宵楽しも(平賀元義)

302 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:47:17 ID:mZ1ARry9
二万坂をうちいでて見れば梅の花咲ける山辺に妹が家みゆ(平賀元義)

303 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:48:48 ID:mZ1ARry9
あかねさす日指の高根雲きらひ松島山に雨ぞふりくる(平賀元義)

304 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:50:04 ID:mZ1ARry9
吾妹子を山北に置きて吾くれば浜風さむし山南の海(平賀元義)

305 :名無氏物語:2009/09/01(火) 12:51:31 ID:mZ1ARry9
ひさかたの月の光に海見れば雲の退辺に妹が国みゆ(平賀元義)

306 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:30:17 ID:mZ1ARry9
射干玉の月おもしろみ彦崎ゆ逢崎さして吾磯づたふ(平賀元義)

307 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:31:05 ID:mZ1ARry9
白真弓春立つ今朝は妹が手を鳥羽島山風のどにふく(平賀元義)

308 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:32:05 ID:mZ1ARry9
妹に恋ひ汗入の山をこえ来れば春の月夜に雁なき渡る(平賀元義)

309 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:34:53 ID:mZ1ARry9
室の浦朝汐高し和田津神やすくまもらへ旅ゆく吾を(平賀元義)

310 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:35:45 ID:mZ1ARry9
戸を開けて見れどもあかずよべの雨にぬれたる山の山桜花(平賀元義)

311 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:36:36 ID:mZ1ARry9
中山の神の社のさくらかげあさけ涼しくなつの風ふく(平賀元義)

312 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:37:22 ID:mZ1ARry9
玉櫛笥二神山にくれなゐの雲たなびきて雨は晴れにけり(平賀元義)

313 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:46:11 ID:mZ1ARry9
たたなめて射水神の嶺奈義の峯初雪ふれりみつつ遊ばむ(平賀元義)

314 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:47:10 ID:mZ1ARry9
夜のほどろ我出で行けば妹が門の桜の上に残る月かげ(平賀元義)

315 :名無氏物語:2009/09/01(火) 13:49:33 ID:mZ1ARry9
大公の三門国守万成坂月おもしろしわれひとりゆく(平賀元義)

316 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:00:04 ID:mZ1ARry9
鏡山雪に朝日の照るを見てあな面白と歌ひけるかも(平賀元義)

317 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:02:40 ID:mZ1ARry9
弥上山池の水底清らけき妹がこころはわすれかねつも(平賀元義)

318 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:04:10 ID:mZ1ARry9
玉くしげ二心なきますらをの心に似たるひひらぎの花(平賀元義)

319 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:05:56 ID:mZ1ARry9
上山は山風寒しちちのみの父のみことの足冷ゆらんか(平賀元義)

320 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:24:48 ID:mZ1ARry9
大刀佩きて我がさもらへば夏の風暑く吹くなり美作の宮(平賀元義)

321 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:26:05 ID:mZ1ARry9
月よみの光さやけみぬば玉の今宵の国見昼にまされり(平賀元義)

322 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:27:08 ID:mZ1ARry9
霊ちはふ大神島山神のさき大海の上に神さびて見ゆ(平賀元義)

323 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:29:35 ID:mZ1ARry9
妻籠に籠りし神のかみよより清の熊野にたてる雲かも(平賀元義)

324 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:30:43 ID:mZ1ARry9
利兵衛が十握の剣遂に抜きて富子を斬りて二きだとなす(平賀元義)

325 :名無氏物語:2009/09/01(火) 14:32:26 ID:mZ1ARry9
利兵衛がこやせる屍うじたかれ見る我さへにたぐりすらしも(平賀元義)

326 :名無氏物語:2009/09/01(火) 15:26:35 ID:mZ1ARry9
五番町石橋のうへに我が麻羅を手草にとりし吾妹子あはれ(平賀元義)

327 :名無氏物語:2009/09/01(火) 15:27:58 ID:mZ1ARry9
あら駒のくゑはららかす足掻きよりむら消えかかる春の野の雪(和田厳足)

328 :名無氏物語:2009/09/01(火) 15:31:55 ID:mZ1ARry9
朧夜の空ゆく月のかげ見えてゆたかに寄する春の浦波(和田厳足)

329 :名無氏物語:2009/09/01(火) 15:33:55 ID:mZ1ARry9
長き日を花の木の間ゆ太白のかがやくばかり遊びくらしつ(和田厳足)

330 :名無氏物語:2009/09/01(火) 15:52:56 ID:mZ1ARry9
見るからにまうら楽しも花ぐはし桜は花の神にかあるらん(和田厳足)

331 :名無氏物語:2009/09/01(火) 15:53:39 ID:mZ1ARry9
かぎろひもにほふばかりに岩間照り尾照り峯照りつつじ花咲く(和田厳足)

332 :名無氏物語:2009/09/01(火) 15:54:59 ID:mZ1ARry9
月夜よしこほろぎと鳴く虫のねにさそはれ出でて露に濡れぬ我(和田厳足)

333 :名無氏物語:2009/09/01(火) 15:55:55 ID:mZ1ARry9
酒飲まむ友どちもがもしくしくに雨のふる夜はさびしきものを(和田厳足)

334 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:23:11 ID:mZ1ARry9
花すすき心静かに酒くめと言はぬばかりの今日の春雨(和田厳足)

335 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:24:04 ID:mZ1ARry9
大伴の旅人の君しましまさばなど鹿子じものひとり飲むべき(和田厳足)

336 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:25:37 ID:mZ1ARry9
寧樂の世のふりにし書を我はもよ友とのみこそ朝夕に見れ(和田厳足)

337 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:26:35 ID:mZ1ARry9
竹芝や大井しな川おしこめて江門の大門ぞ霞み初めたる(井上文雄)

338 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:27:46 ID:mZ1ARry9
田鶴のゐる千代田の梢うち霞み江門の湊に春は来にけり(井上文雄)

339 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:28:53 ID:mZ1ARry9
神楽坂春の夜嵐さえかへり片下ろしにも降る霙かな(井上文雄)

340 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:30:20 ID:mZ1ARry9
うなゐ子が氷をわたる里川の冬のちか道けさ絶えにけり(井上文雄)

341 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:31:58 ID:mZ1ARry9
隅田川なか洲をこゆる潮先にかすみ流れて春雨の降る(井上文雄)

342 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:43:07 ID:mZ1ARry9
夕河の中洲を越ゆる潮先に千鳥一声風ながれして(井上文雄)

343 :名無氏物語:2009/09/01(火) 16:44:46 ID:mZ1ARry9
しめはへて水口まつる畔つづき苗代ぐみの花咲きにけり(井上文雄)

344 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:02:56 ID:mZ1ARry9
浪たてる田子の裳裾はそほちつつ水口まつる早苗をぞとる(源師頼)

345 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:04:08 ID:mZ1ARry9
片岡の道の小寺のつつじ垣ほろほろ散りて人影もなし(井上文雄)

346 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:05:09 ID:mZ1ARry9
宵々の卯の花月夜ほととぎす田舎ははやく夏めきにけり(井上文雄)

347 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:06:41 ID:mZ1ARry9
御仏に水そそぐ日と里の子が寺田の畔にうつぎ折るなり(井上文雄)

348 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:07:43 ID:mZ1ARry9
樫が花露とこぼれて小雨ふる森の下道夏めきにけり(井上文雄)

349 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:09:27 ID:mZ1ARry9
岡越えの切り通したるつくり道卯の花咲けり右に左に(井上文雄)

350 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:18:32 ID:mZ1ARry9
しづの女は昼寝してけり水あまる庭の筒井に熟瓜ひやして(井上文雄)

351 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:19:33 ID:mZ1ARry9
昼寝する枕にひとつ名のる蚊のほそ声耳を離れざりけり(井上文雄)

352 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:20:28 ID:mZ1ARry9
日盛りのわら屋の庭は鳥も来ず山繭ひく子薄ねぶりして(井上文雄)

353 :名無氏物語:2009/09/01(火) 17:21:31 ID:mZ1ARry9
七夕のおほそらごとも古き世の例となれば捨てられずして(井上文雄)

354 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:07:41 ID:mZ1ARry9
旅人の朝たつとよみ静まりて駅家の火影霧に残りぬ(井上文雄)

355 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:10:07 ID:mZ1ARry9
朝霧の絶えまに見れば遠山は思ひしよりも色づきにけり(井上文雄)

356 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:11:23 ID:mZ1ARry9
夕霧のたえまにみれば花薄ほのかに誰をまねくなるらん(肥後)

357 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:12:35 ID:mZ1ARry9
落栗を炭櫃に焼きてにひしぼり飲みつつをれば月も出でにけり(井上文雄)

358 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:14:29 ID:mZ1ARry9
にほとりの葛飾早稲の新しぼり酌みつつをれば月かたぶきぬ(賀茂真淵)

359 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:15:41 ID:mZ1ARry9
おのづから乾きて落つるもみぢ葉の音を聞きしる暮もありけり(井上文雄)

360 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:17:15 ID:mZ1ARry9
朝清めおこたりもなき大寺の庭の砂子に散る木の葉かな(井上文雄)

361 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:18:52 ID:mZ1ARry9
山里は麦まき蚕がひ種おろし老いたる人ぞ暦なりける(井上文雄)

362 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:28:16 ID:mZ1ARry9
世をそしり人をののしり我だけく物定めするえせ博士かな(井上文雄)

363 :名無氏物語:2009/09/01(火) 18:29:48 ID:mZ1ARry9
言霊のさきはふ道をいたづらに遊びのわざと人は言ふなり(井上文雄)

364 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:02:38 ID:mZ1ARry9
紅のつな引きさして少女子が裳裾の上にねぶる唐猫(井上文雄)

365 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:03:38 ID:mZ1ARry9
朝風に若菜売る子が声すなり朱雀の柳まゆいそぐらむ(加納諸平)

366 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:04:20 ID:mZ1ARry9
春日さす南の庭の雪消よりかげろふばかり梅が香ぞする(加納諸平)

367 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:05:39 ID:mZ1ARry9
春日さす山は雪消のしづくよりたてる煙やかすみ初むらん(正徹)

368 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:06:45 ID:mZ1ARry9
雨はれぬ椿がもとのにはたづみ花のひびきに驚かれつつ(加納諸平)

369 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:09:39 ID:mZ1ARry9
かへる雁なくね霞みて大くらの入江に更けし春の夜の月(加納諸平)

370 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:39:23 ID:mZ1ARry9
行く雁の声をし聞けば小雨ふる春の朝寐もしづごころなし(加納諸平)

371 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:40:11 ID:mZ1ARry9
国見すとのぼれば寒き山風にけぶりを漏るる花は誰が門(加納諸平)

372 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:42:49 ID:mZ1ARry9
有明のかげはかくれし朝霧に山ふところの花かをるなり(加納諸平)

373 :名無氏物語:2009/09/01(火) 19:44:31 ID:mZ1ARry9
咲く花のあだなるかたにうつりゆく吉野の山の名こそ惜しけれ(加納諸平)

374 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:05:32 ID:BvJbcGXO
行きかへり見れどかなしき花の上に霞む春日もかたぶきにけり(加納諸平)

375 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:06:51 ID:BvJbcGXO
咲きつづく桃の林や暮れぬらんその色ながら月ぞにほへる(加納諸平)

376 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:08:54 ID:BvJbcGXO
きのふかも時雨ふりにしみ山木のその色ながら春は来にけり(順徳院)

377 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:10:27 ID:BvJbcGXO
夕されば雲雀の声のさざなみを麦生によせて春風ぞ吹く(加納諸平)

378 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:12:44 ID:BvJbcGXO
むかしわが夏見にそひて見し花のかげも恋しく鳴く蛙かな(加納諸平)

379 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:15:12 ID:BvJbcGXO
棹ふれし筏は一瀬過ぎながらなほ影なびく山吹の花(加納諸平)

380 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:33:56 ID:BvJbcGXO
鳥網はる人にな告げそ山県の朝菜の花につぐみ鳴くなり(加納諸平)

381 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:39:15 ID:BvJbcGXO
雨はるる垣根のうばら夏ちかみ露もたわわに花もよひせり(加納諸平)

382 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:40:50 ID:BvJbcGXO
夕かけて小雨こぼるる竹むらの蚊のほそ声に夏をしるかな(加納諸平)

383 :名無氏物語:2009/09/02(水) 14:46:31 ID:BvJbcGXO
夏かげの青垣淵に花見えてひとりしづけき山ざくらかな(加納諸平)

384 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:06:38 ID:BvJbcGXO
月夜ほの見えそめしあぢさゐの花もまどかに咲きみちにけり(加納諸平)

385 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:09:16 ID:BvJbcGXO
蘆垣の乱れをかこつ雨のうちに色もくづれしあぢさゐの花(加納諸平)

386 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:12:47 ID:BvJbcGXO
吹きのぼる夕川風にを簾まけば雲ゐをかけて蛍とぶなり(加納諸平)

387 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:15:01 ID:BvJbcGXO
水よりもすずしかりけり薄物の片身をもるる夏虫の影(加納諸平)

388 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:15:56 ID:BvJbcGXO
まばゆくもてらす蛍か夕占とふ花橘のかげさらずして(加納諸平)

389 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:16:57 ID:BvJbcGXO
玉まきて少女さびせぬ袖もなし奈良の小川に蛍とぶ夜は(加納諸平)

390 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:20:21 ID:BvJbcGXO
水といへば忍び車の轍にもなほかげとめて蛍飛ぶなり(加納諸平)

391 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:52:17 ID:BvJbcGXO
山百合のおのづからなる花の香も松の戸もれて清き月夜か(加納諸平)

392 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:53:33 ID:BvJbcGXO
垣もとに植ゑしさ百合は六月のてる日にゑみて花咲きにけり(加納諸平)

393 :名無氏物語:2009/09/02(水) 15:54:34 ID:BvJbcGXO
秋津羽のうすくれなゐの花の色に夕日のかげをかさねてぞみる(加納諸平)

394 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:02:43 ID:BvJbcGXO
天なるやささらの小野の菅原も心にわけて月を見るかな(加納諸平)

395 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:04:10 ID:BvJbcGXO
霧の上に雁がね啼きて秋の日のかたぶく空を独りかも見む(加納諸平)

396 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:05:34 ID:BvJbcGXO
月かげもすみはつまじき明けがたに軒端を出でてゆく燕かな(加納諸平)

397 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:07:22 ID:BvJbcGXO
漁火は雲ゐにきえて眉引の淡路の門中月みちにけり(加納諸平)

398 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:09:26 ID:BvJbcGXO
沖つ洲に夕ゐる鷗むれ立ちて浪の穂あかし月やいづらん(加納諸平)

399 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:20:15 ID:BvJbcGXO
船窓の秋のともし火ほのぼのと白める海に月はうかべり(加納諸平)

400 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:21:17 ID:BvJbcGXO
山里はまだき夜寒になりぬらし真柴のけぶり月に立つみゆ(加納諸平)

401 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:22:21 ID:BvJbcGXO
小雀鳴く秋の野寺のひとへ垣ひま見えぬまで萩は咲きけり(加納諸平)

402 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:24:37 ID:BvJbcGXO
月にうつ大城の鼓しばし待てくだちゆく夜を誰か惜しまぬ(加納諸平)

403 :名無氏物語:2009/09/02(水) 16:29:12 ID:BvJbcGXO
草蔭の松の枯葉に秋見えてこぼれし雨はややはれにけり(加納諸平)

404 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:32:26 ID:BvJbcGXO
夕日さす梢の色に秋見えてそともの森にひぐらしの声(光厳院)

405 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:34:01 ID:BvJbcGXO
明日きらむ船木が中にもみぢ葉のこがれて見ゆる足柄の山(加納諸平)

406 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:34:54 ID:BvJbcGXO
入りやすき日影をかこつ夕暮に落つる木の葉の窓てらしつつ(加納諸平)

407 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:36:38 ID:BvJbcGXO
神無月立ちにし日よりあしびきの山さへもろき色に見えつつ(加納諸平)

408 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:37:53 ID:BvJbcGXO
荒熊はゆくへもしらず杉山のうつほにこもる木枯しの声(加納諸平)

409 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:40:24 ID:BvJbcGXO
神無月たちにし日より雲のゐるあふりの山ぞまづしぐれける(賀茂真淵)

410 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:47:09 ID:BvJbcGXO
もみぢ葉の小雨に朽ちし弥彦は月より高く神さびにけり(加納諸平)

411 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:49:02 ID:BvJbcGXO
あげまきが浮かるる声もおもしろしふれふれ粉雪山つくるまで(加納諸平)

412 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:57:09 ID:BvJbcGXO
雪折れのひびきを年の別れにて長けし我が世もおどろかれぬる(加納諸平)

413 :名無氏物語:2009/09/02(水) 17:58:12 ID:BvJbcGXO
若鮎のひれふる姿見てしよりこの川上の家ぞ恋しき(加納諸平)

414 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:00:11 ID:BvJbcGXO
藤波の丈にあまれる花房をわが見し髪に思ひよせつつ(加納諸平)

415 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:01:38 ID:BvJbcGXO
見し人の面影なびく若草によすがさだめず飛ぶ胡蝶かな(加納諸平)

416 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:03:01 ID:BvJbcGXO
吾妹子にまことあふちの花ならば五月の忌を過ぐしても見む(加納諸平)

417 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:04:27 ID:BvJbcGXO
春がすみ立ち出づるからに里の犬の夜声は絶えてきぎす鳴くなり(加納諸平)

418 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:05:41 ID:BvJbcGXO
旅衣わわくばかりに春たけてうばらが花ぞ香ににほふなる(加納諸平)

419 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:06:32 ID:BvJbcGXO
わたつみの浪もてかくす故郷をうきねの夢にこよひ見しかな(加納諸平)

420 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:24:21 ID:BvJbcGXO
那木の葉をかざしてかへる人もがな世々の行幸のあとがたりせん(加納諸平)

421 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:25:21 ID:BvJbcGXO
ちはやぶる熊野の宮の梛の葉をかはらぬ千世のためしにぞ折る(藤原定家)

422 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:26:18 ID:BvJbcGXO
山がつが煙吹きけん跡ならし椿の巻葉霜にこほれり(加納諸平)

423 :名無氏物語:2009/09/02(水) 18:27:09 ID:BvJbcGXO
いづる日の影もおぼろの朝けかな霧にしをれて山路わけまし(加納諸平)

424 :名無氏物語:2009/09/02(水) 22:47:43 ID:BvJbcGXO
み熊野の荒山中に海なして立つ朝霧をいくへ分くらむ(加納諸平)

425 :名無氏物語:2009/09/02(水) 22:49:35 ID:BvJbcGXO
朝霧のふかきを雨とおもひしはまだ山なれぬ心なりけり(加納諸平)

426 :名無氏物語:2009/09/02(水) 22:51:23 ID:BvJbcGXO
みづちすむ淵を千尋の底に見て太刀の緒かため行く山路かな(加納諸平)

427 :名無氏物語:2009/09/02(水) 22:52:24 ID:BvJbcGXO
煙たつ峰の炭焼やどり貸せ夕日のおくにましらなくなり(加納諸平)

428 :名無氏物語:2009/09/02(水) 22:56:43 ID:BvJbcGXO
門すぐる風をしるべに樫の実のひとり出でても拾ふうなゐか(加納諸平)

429 :名無氏物語:2009/09/02(水) 22:58:05 ID:BvJbcGXO
夕されば山路の松のふさたきを岩根の蔦に照らしてぞゆく(加納諸平)

430 :名無氏物語:2009/09/02(水) 22:58:51 ID:BvJbcGXO
袖かへす山風はやみ松の火もともにこぼるる夕しぐれかな(加納諸平)

431 :名無氏物語:2009/09/02(水) 22:59:47 ID:BvJbcGXO
山がつが餅にせんと木の実つき浸す小川をまたや渡らん(加納諸平)

432 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:23:08 ID:BvJbcGXO
大かたは秋とも知らぬ山がつが笥にもる飯は木の実なりけり(加納諸平)

433 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:24:25 ID:BvJbcGXO
足ふめば霜くづれする赭土山立ちや疲れん霧のみ中に(加納諸平)

434 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:25:31 ID:BvJbcGXO
いただきに杣板のせてくだる子がうしろで寒き那智の山風(加納諸平)

435 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:26:51 ID:BvJbcGXO
うちおける板目に切れし黒髪をゆゆしと見つつ夫子や歎かん(加納諸平)

436 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:29:59 ID:BvJbcGXO
むろの海のにしきの袋せばけれど百船人は雨つつみせり(加納諸平)

437 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:31:28 ID:BvJbcGXO
浪風のうちみだりたる吾が髪をたれかかかげんくしもとの浦(加納諸平)

438 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:33:15 ID:BvJbcGXO
沖さけて浮かぶ鳥船時のまに翔りもゆくか勇魚見ゆらし(加納諸平)

439 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:35:01 ID:BvJbcGXO
雲かかるわたのみ中にあら潮を雨とふらせて鯨うかべり(加納諸平)

440 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:51:20 ID:BvJbcGXO
有馬の海浪のゆふ花折りかけて神をまつらぬ時も日もなし(加納諸平)

441 :名無氏物語:2009/09/02(水) 23:52:19 ID:BvJbcGXO
泊瀬女の袖かとぞ思ふみ吉野の滝のみなわの波のゆふ花(後鳥羽院)

442 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:03:30 ID:KSPVo8hn
み吉野の奥に思へる心さへ身さへ山路をわけたどりつつ(加納諸平)

443 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:04:25 ID:KSPVo8hn
小楯なす巌照るまで高倉のかぶとの森はもみぢしにけり(加納諸平)

444 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:06:48 ID:KSPVo8hn
あふぎ見る大蛇神楽の松かげはいかなる神か降り立たすらん(加納諸平)

445 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:08:23 ID:KSPVo8hn
荒山の八十隈おちぬ往き交ひに涙は袖の針目をぞもる(加納諸平)

446 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:09:26 ID:KSPVo8hn
七越の峰に夕ゐる秋の雲一なびきして月はのぼれり(加納諸平)

447 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:11:01 ID:KSPVo8hn
立ちのぼる月のあたりに雲きえて光かさぬる七越の峰(西行)

448 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:21:04 ID:KSPVo8hn
神無月春ごこちにもなれるかな花の岩屋に花祭りして(加納諸平)

449 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:22:08 ID:KSPVo8hn
しめはへてむすべる菊のひまごとにあふぎもひらく花祭かな(加納諸平)

450 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:23:17 ID:KSPVo8hn
深山木のもと伐り截つと斧とれば空もとどろに嵐吹くなり(加納諸平)

451 :名無氏物語:2009/09/03(木) 00:24:14 ID:KSPVo8hn
壁たてる巌とほりて天地にとどろきわたる滝の音かな(加納諸平)

452 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:26:53 ID:KSPVo8hn
滝姫の御衣の白妙幅ひろみさく雷やおもひかけけむ(加納諸平)

453 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:29:38 ID:KSPVo8hn
高機を巌にたてて天つ日のかげさへ織れる唐錦かな(加納諸平)

454 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:30:37 ID:KSPVo8hn
あしたづの翅のうへに玉しきて神やますらむ滝のみなかみ(加納諸平)

455 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:31:37 ID:KSPVo8hn
富士も見き淡海の海も渡りてき今はと思ひし滝にやはあらぬ(加納諸平)

456 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:34:27 ID:KSPVo8hn
世の塵に迷ふ嘆きは聞きとめぬ神の御声や滝にそふらん(加納諸平)

457 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:46:16 ID:KSPVo8hn
ますらをがすべしもとどり解きはなつ滝のひびきに雨みだるなり(加納諸平)

458 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:47:10 ID:KSPVo8hn
あうらつく新藁沓のあらづくりいかがは踏まん岩のかけ道(加納諸平)

459 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:47:55 ID:KSPVo8hn
もえ松につつじ折りそへしづの女が子故にいそぐ夕暮の山(加納諸平)

460 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:54:51 ID:KSPVo8hn
神ならば岩おしわけて帰らまし山路の暮は家ぞ恋しき(加納諸平)

461 :名無氏物語:2009/09/03(木) 16:56:19 ID:KSPVo8hn
こをだにと折りとる袖に且つ落ちて露よりもろき玉椿かな(加納諸平)

462 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:01:24 ID:KSPVo8hn
益荒男が打ちもかへさぬ山陰のはたとせ何に過ぐし来つらん(加納諸平)

463 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:03:33 ID:KSPVo8hn
わが身こそよそにもうつれ萩が花もとの垣根にやつれてぞ咲く(加納諸平)

464 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:04:25 ID:KSPVo8hn
岩くえて礒回の城門は荒れにしを夜声さむくもよする波かな(加納諸平)

465 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:05:54 ID:KSPVo8hn
駒わたす人かげもなし犀川の岸の司はかたくづれして(加納諸平)

466 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:13:12 ID:KSPVo8hn
生駒山かすむあしたの見渡しに思ひつづくる花のうへかな(加納諸平)

467 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:14:49 ID:KSPVo8hn
静かなる山のすがたをほのぼのと浮べて立てる春霞かな(加納諸平)

468 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:15:49 ID:KSPVo8hn
姫島の松の夕日に雁啼きてわが子恋しき秋風ぞ吹く(加納諸平)

469 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:17:13 ID:KSPVo8hn
一帆見え二帆つらねて明くる夜のしららの沖に舟きほふなり(加納諸平)

470 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:18:47 ID:KSPVo8hn
小笹原それともわかぬ葉隠れにかつがつ咲ける月草の花(加納諸平)

471 :名無氏物語:2009/09/03(木) 17:22:16 ID:KSPVo8hn
天草や天よりをちのから山も雲になびきて日は暮れにけり(加納諸平)

472 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:02:24 ID:KSPVo8hn
岡の辺の入日のなごりうちなびき松風ながら暮るる空かな(加納諸平)

473 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:05:47 ID:KSPVo8hn
数さすと真柴折り焚き山里のなぞなぞがたりさ夜ふけにけり(加納諸平)

474 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:09:28 ID:KSPVo8hn
ふるさとの岡辺のすみれ手につみていとど昔の春ぞ恋しき(加納諸平)

475 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:11:39 ID:KSPVo8hn
ふる里の野べ見にくれば昔わが妹とすみれの花咲きにけり(賀茂真淵)

476 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:20:29 ID:KSPVo8hn
桜花ちらばちらなん遠つ神わが大王の衣笠の上に(加納諸平)

477 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:30:03 ID:KSPVo8hn
君がため花と散りにしますらをに見せばやと思ふ御代の春かな(加納諸平)

478 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:55:42 ID:KSPVo8hn
みしぶつく植女が袖に夕月のやつれしかげをあはれとぞ見る(加納諸平)

479 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:56:41 ID:KSPVo8hn
榊葉の香をかぐ山にのぼりても神代の空ははるけかりけり(加納諸平)

480 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:57:33 ID:KSPVo8hn
ふるさとの岡辺に立ちてわが見てし富士の御雪のとはに恋しき(加納諸平)

481 :名無氏物語:2009/09/03(木) 18:58:45 ID:KSPVo8hn
ふるさとの棗がもとの萩が花こぼれにけらし秋風の吹く(加納諸平)

482 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:11:02 ID:KSPVo8hn
世の中はかなしかりけり世の中の何かかなしき賤の男にして(加納諸平)

483 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:12:38 ID:KSPVo8hn
引馬野の木の芽はり原入りみだれ春日暮らすは昔人かも(加納諸平)

484 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:14:29 ID:KSPVo8hn
雁がねの帰りし空をながめつつ立てるそほづは我が身なりけり(野村望東尼)

485 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:15:38 ID:KSPVo8hn
かりをだに立てるそほづは甲斐もなしいたづらならば門守りせよ(藤原信実)

486 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:33:25 ID:KSPVo8hn
浮雲のかかる筑紫もよそよりはのどかに霞む春と見ゆらむ(野村望東尼)

487 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:34:15 ID:KSPVo8hn
桜花あまたにほへる里にても友なき人はさびしからまし(野村望東尼)

488 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:37:40 ID:KSPVo8hn
さみだれの晴間の日影うつり来て窓にかげろふ行潦かな(野村望東尼)

489 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:39:02 ID:KSPVo8hn
つねに見る松の木陰の一つ家の火影さびしき秋は来にけり(野村望東尼)

490 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:41:55 ID:KSPVo8hn
秋寒み小雨そぼそぼふる寺の火影さびしき夜のけしきかな(大田垣蓮月)

491 :名無氏物語:2009/09/03(木) 19:43:52 ID:KSPVo8hn
世の中の憂きこと知らぬ御仏もものさびしらに見ゆる秋かな(野村望東尼)

492 :名無氏物語:2009/09/04(金) 01:51:35 ID:lrZ6SVh2
おり立ちて庭の桜のもとにだに行くばかりにも何時かならまし(野村望東尼)

493 :名無氏物語:2009/09/04(金) 01:53:03 ID:lrZ6SVh2
山寺の秋さびしらに仏達ただならびてもおはすばかりぞ(大隈言道)

494 :名無氏物語:2009/09/04(金) 01:54:05 ID:lrZ6SVh2
人影を雪間に遠く見出つつ我が訪はるるに定めてぞ待つ(野村望東尼)

495 :名無氏物語:2009/09/04(金) 01:55:00 ID:lrZ6SVh2
みち遠く行きて帰りて今朝のこと思へば冬も日永かりけり(野村望東尼)

496 :名無氏物語:2009/09/04(金) 01:56:13 ID:lrZ6SVh2
山松の木の間の月を眺むればまさに我が身は世をのがれけり(野村望東尼)

497 :名無氏物語:2009/09/04(金) 01:57:03 ID:lrZ6SVh2
昔わが間遠に植ゑし梅さくら楓も枝をさしかはしきぬ(野村望東尼)

498 :名無氏物語:2009/09/04(金) 01:58:02 ID:lrZ6SVh2
諸共にながき病に臥せる間は我もや先と思ひしものを(野村望東尼)

499 :名無氏物語:2009/09/04(金) 01:58:57 ID:lrZ6SVh2
ともすれば君がみけしきそこなひて叱られし世ぞ今は恋しき(野村望東尼)

500 :名無氏物語:2009/09/04(金) 01:59:53 ID:la6DPHRW
ながらへばまたこの頃や偲ばれむ憂しと見し世ぞ今は恋しき(藤原清輔[新古今])

501 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:08:19 ID:lrZ6SVh2
人げなく思ひし島のめぐりきて畑もいできぬ家も見えこむ(野村望東尼)

502 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:09:47 ID:lrZ6SVh2
ひとすぢにあかき道ゆく中やどに貸してうれしき山のあれ庵(野村望東尼)

503 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:17:36 ID:lrZ6SVh2
瓶にさす千草の花の一束をおのがことしの秋と見るかな(野村望東尼)

504 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:20:17 ID:lrZ6SVh2
夕日影入りしや消ゆる空の虹いのちと見えし雲は残れど(野村望東尼)

505 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:21:57 ID:lrZ6SVh2
もののふの重荷の罪を身一つに負ひてかろくもなる命かな(野村望東尼)

506 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:51:00 ID:lrZ6SVh2
わが世とはつゆ思はねど菊の花ここのへに咲くおほ御代もがな(野村望東尼)

507 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:51:50 ID:lrZ6SVh2
霜あらし月にたぐひて流れゆく身をさすばかりさゆる夜半かな(野村望東尼)

508 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:52:40 ID:lrZ6SVh2
住みそむる獄の枕うちつけに叫ぶばかりの波の声かな(野村望東尼)

509 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:53:44 ID:lrZ6SVh2
冬ごもりこらへこらへて一時に花咲きみてる春は来るらし(野村望東尼)

510 :名無氏物語:2009/09/04(金) 02:55:48 ID:lrZ6SVh2
うぐひすの霞にむせぶ声すなりそのきさらぎの望の夕暮(福田行誡)

511 :名無氏物語:2009/09/04(金) 03:02:43 ID:lrZ6SVh2
きさらぎやたてる煙は消えしかどなほ望の夜の月は曇れり(福田行誡)

512 :名無氏物語:2009/09/04(金) 03:08:18 ID:lrZ6SVh2
後の世と言はむは遠し鵜飼舟この世よりして闇をたどれり(福田行誡)

513 :名無氏物語:2009/09/04(金) 03:14:46 ID:lrZ6SVh2
のちの世を知らせ顔にも篝火のこがれてすぐる鵜飼舟かな(藤原有家)

514 :名無氏物語:2009/09/04(金) 15:50:41 ID:lrZ6SVh2
かがり火の影だにあらじ後の世の闇をもしらぬ鵜飼舟かな(藤原兼宗)

515 :名無氏物語:2009/09/04(金) 15:53:40 ID:lrZ6SVh2
旅衣たつ日となれば人なみに杖よ笠よと言ひさわぎつつ(福田行誡)

516 :名無氏物語:2009/09/04(金) 15:54:51 ID:lrZ6SVh2
ひらけゆくわが大御世も久方の天の岩戸の光なるらむ(福田行誡)

517 :名無氏物語:2009/09/04(金) 15:55:53 ID:lrZ6SVh2
極楽は枕辺ちかくありながらなど夢にだも見られざりけむ(福田行誡)

518 :名無氏物語:2009/09/04(金) 15:57:16 ID:lrZ6SVh2
我もまた惜しとこそ思へ惜しと思ふ命は同じ命ならずや(福田行誡)

519 :名無氏物語:2009/09/04(金) 16:44:01 ID:lrZ6SVh2
春の色の海よりのぼるかげろふに半ばそめたる安房の浦なみ(安藤野雁)

520 :名無氏物語:2009/09/04(金) 16:46:45 ID:lrZ6SVh2
いづこかはさして我が宿行きまじり野にも山にも花のへに寝む(安藤野雁)

521 :名無氏物語:2009/09/04(金) 16:48:12 ID:lrZ6SVh2
酔ひみだれ花にねぶりし洒さめてさむしろ寒し春の夕風(安藤野雁)

522 :名無氏物語:2009/09/04(金) 16:49:20 ID:lrZ6SVh2
さみだれの雨今こそは晴れぬなれあかりて匂ふ姫ゆりの花(安藤野雁)

523 :名無氏物語:2009/09/04(金) 16:51:54 ID:lrZ6SVh2
あはれなる空の蛍のゆくへかな秋風たかく吹きやしぬらむ(安藤野雁)

524 :名無氏物語:2009/09/04(金) 16:53:43 ID:lrZ6SVh2
ながめむかふ心々にかなしさの色さだまらぬ秋の夕雲(安藤野雁)

525 :名無氏物語:2009/09/04(金) 16:55:24 ID:lrZ6SVh2
さぶしさは水底までにとほりけり夕日のすめる秋の砂川(安藤野雁)

526 :名無氏物語:2009/09/04(金) 16:56:18 ID:lrZ6SVh2
水あせて石あらはるる山川に夕日ながるる秋のいろかな(安藤野雁)

527 :名無氏物語:2009/09/04(金) 17:26:25 ID:lrZ6SVh2
軒端よりふりさけみれば富士のねはあまり俄にたてりけるかな(安藤野雁)

528 :名無氏物語:2009/09/04(金) 17:27:13 ID:lrZ6SVh2
ゑのころは多くの子供もたりけり母のむな乳のたらぬばかりに(安藤野雁)

529 :名無氏物語:2009/09/04(金) 17:28:31 ID:lrZ6SVh2
ゑのころは此の頃こそは生まれしか早く恋するものにぞありける(安藤野雁)

530 :名無氏物語:2009/09/04(金) 17:29:29 ID:lrZ6SVh2
わが顔をかべの穴よりうかがひつ鼠の友とおもふなるべし(安藤野雁)

531 :名無氏物語:2009/09/04(金) 17:30:38 ID:lrZ6SVh2
ともすれば琴ひきさしてうち霞む窓の外山のながめられつつ(幽真)

532 :名無氏物語:2009/09/04(金) 17:31:59 ID:lrZ6SVh2
総角に木の芽煮させてつくづくと窓の外山の雪を見るかな(幽真)

533 :名無氏物語:2009/09/04(金) 17:33:34 ID:lrZ6SVh2
ただむかふ山松のまにほのぼのとにほへる雲やわが恋ふる花(幽真)

534 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:08:21 ID:lrZ6SVh2
舟長の今ぞ盛と棹さしてをしふる雲やわが恋ふる花(加納諸平)

535 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:10:14 ID:lrZ6SVh2
かづらきの尾越しの雲の崩れきて夕立すなり風猛の里(幽真)

536 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:11:53 ID:lrZ6SVh2
大比叡や小比叡の雲のめぐり来て夕立すなり粟津野の原(賀茂真淵)

537 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:14:16 ID:lrZ6SVh2
夏山の繁木が奧の岩間より音さへさむく水走るなり(幽真)

538 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:15:30 ID:lrZ6SVh2
月を見て誰かは家を恋ひざらむ野に臥す我も人の子にして(幽真)

539 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:16:28 ID:lrZ6SVh2
月明く琴の音きよし老いし身も少女さびして庭に舞はまし(幽真)

540 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:19:45 ID:lrZ6SVh2
風は清し月はさやけしいざともに踊り明かさむ老のなごりに(良寛)

541 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:33:33 ID:lrZ6SVh2
夕日影ななめに照らす山窓に独りしぐれて散るもみぢかな(幽真)

542 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:34:48 ID:lrZ6SVh2
世の中を夢と見果てて誰かすむ風のばせをの葉隠れの宿(幽真)

543 :名無氏物語:2009/09/04(金) 18:35:54 ID:lrZ6SVh2
琴とりてこの世は花につくさまし終のむくいはさもあらばあれ(幽真)

544 :名無氏物語:2009/09/04(金) 19:04:34 ID:lrZ6SVh2
朝日かげ豊栄のぼる日の本のやまとの国の春のあけぼの(佐久良東雄)

545 :名無氏物語:2009/09/04(金) 19:11:15 ID:lrZ6SVh2
桜花咲きの盛りをうち見てもただ武士は涙おちけり(佐久良東雄)

546 :名無氏物語:2009/09/04(金) 19:14:10 ID:lrZ6SVh2
よき人とほめられむより今の世は物狂ひぞと人のいはなむ(佐久良東雄)

547 :名無氏物語:2009/09/04(金) 19:19:20 ID:lrZ6SVh2
君がため朝霜ふみてゆく道はたふとくうれしく悲しくありけり(佐久良東雄)

548 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:18:36 ID:lrZ6SVh2
朝ごとに汀の氷ふみわけて君につかふる道ぞかしこき(源通親)

549 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:19:39 ID:lrZ6SVh2
春にあけて先づ看る書も天地の始めの時と読みいづるかな(橘曙覧)

550 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:22:11 ID:lrZ6SVh2
物ごとに清めつくして神習ふ国風しるき春は来にけり(橘曙覧)

551 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:23:14 ID:lrZ6SVh2
から国の人ならはめや神国の人はまなほに神ならふべし(本居宣長)

552 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:24:28 ID:lrZ6SVh2
正月立つすなはち華のさきはひを受けて今歳も笑ひあふ宿(橘曙覧)

553 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:26:29 ID:lrZ6SVh2
稲荷坂見あぐる朱の大鳥居ゆり動して人のぼり来る(橘曙覧)

554 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:27:21 ID:lrZ6SVh2
おそくとも宿をいでつつ稲荷坂のぼればくだる都人かな(源兼昌)

555 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:29:08 ID:lrZ6SVh2
春かけて門田の面に群れし雁一つも見えずなる日さびしも(橘曙覧)

556 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:49:47 ID:lrZ6SVh2
升りおりいつ事ゆくといふこともあら野のひばり春すぐすらむ(橘曙覧)

557 :名無氏物語:2009/09/04(金) 22:51:02 ID:lrZ6SVh2
すくすくと生ひたつ麦に腹すりて燕飛びくる春の山畑(橘曙覧)

558 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:00:24 ID:lrZ6SVh2
若葉さすころはいづこの山見ても何の木見ても麗しきかな(橘曙覧)

559 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:01:57 ID:lrZ6SVh2
梅子のうみて昼さへ寝まほしく思ふさ月にはや成りにけり(橘曙覧)

560 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:03:33 ID:lrZ6SVh2
天地もひろさ加はるここちして先づあふがるる青雲のそら(橘曙覧)

561 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:08:13 ID:lrZ6SVh2
羽ならす蜂あたたかに見なさるる窓をうづめて咲く薔薇かな(橘曙覧)

562 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:11:42 ID:lrZ6SVh2
雨つつみ日を経てあみ戸あけ見れば摽ちて梅ありその実三つ四つ(橘曙覧)

563 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:13:11 ID:lrZ6SVh2
外の浜千里の目路に塵をなみすずしさ広き砂の上の月(橘曙覧)

564 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:18:56 ID:lrZ6SVh2
たたまりて蕊まだ見せぬ葩のぬれ色きよし蓮のあさ露(橘曙覧)

565 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:20:22 ID:lrZ6SVh2
稲子麻呂うるさく出でてとぶ秋の日和よろこび人豆を打つ(橘曙覧)

566 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:21:29 ID:lrZ6SVh2
余所人は見なれぬ里の一くるわ稲こきやめて我をゆびさす(橘曙覧)

567 :名無氏物語:2009/09/04(金) 23:23:18 ID:lrZ6SVh2
人は皆見さして寝たる小夜中の月を静かに入るる窓かな(橘曙覧)

568 :名無氏物語:2009/09/05(土) 14:45:39 ID:S6icvlQG
茎折れて水にうつぶす枯蓮の葉うらたたきて秋の雨ふる(橘曙覧)

569 :名無氏物語:2009/09/05(土) 14:47:43 ID:S6icvlQG
妹と寝るとこよ離れて此のあさけ鳴きて来つらむ初かりの声(橘曙覧)

570 :名無氏物語:2009/09/05(土) 14:48:33 ID:S6icvlQG
はるかなる常世はなれて鳴く雁の雲の衣に秋風ぞ吹く(藤原良経)

571 :名無氏物語:2009/09/05(土) 14:50:13 ID:S6icvlQG
旅ごろもうべこそさゆれ乗る駒の鞍の高嶺にみ雪つもれり(橘曙覧)

572 :名無氏物語:2009/09/05(土) 14:51:06 ID:S6icvlQG
朝たちて比良の高根の雪見ればきぞの夜床はうべさえにけり(本居宣長)

573 :名無氏物語:2009/09/05(土) 14:53:16 ID:S6icvlQG
枯れのこる茎うす赤きいぬたでの腹ばふ庭に霜ふりにける(橘曙覧)

574 :名無氏物語:2009/09/05(土) 14:54:18 ID:S6icvlQG
ふたりとはまだ人も見ず雪しづれ朝日におつる杉のした道(橘曙覧)

575 :名無氏物語:2009/09/05(土) 14:55:08 ID:S6icvlQG
真荒男が手どりにしつる虎の血のたばしり赤し門のしら雪(橘曙覧)

576 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:36:18 ID:S6icvlQG
まれ人を屋所にのこして鳥うちに我は出でゆく黄昏の雪(橘曙覧)

577 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:37:45 ID:S6icvlQG
きのふまで吾が衣手にとりすがり父よ父よといひてしものを(橘曙覧)

578 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:38:32 ID:S6icvlQG
今も世にいまされざらむ齢にもあらざるものをあはれ親なし(橘曙覧)

579 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:39:20 ID:S6icvlQG
髪しろくなりても親のある人もおほかるものをわれは親なし(橘曙覧)

580 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:47:59 ID:S6icvlQG
慕ひあまるこころ額にあつまりてうちつけらるる地の上かな(橘曙覧)

581 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:49:33 ID:S6icvlQG
亡き母をしたひよわりて寝たる児の顔見るばかり憂きことはあらじ(橘曙覧)

582 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:51:40 ID:S6icvlQG
はふ児にてわかれまつりし身のうさは面だに母を知らぬなりけり(橘曙覧)

583 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:53:59 ID:S6icvlQG
今日のこのなげきさせむと同じ世に魂さへあひて生れきにけむ(橘曙覧)

584 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:54:58 ID:S6icvlQG
うつくしき蝶ほしがりて華園の花に少女の汗こぼすかな(橘曙覧)

585 :名無氏物語:2009/09/05(土) 15:55:51 ID:S6icvlQG
蝶うつとせし手はづれて御園生の花うちこぼし立つ少女かな(橘曙覧)

586 :名無氏物語:2009/09/05(土) 16:57:54 ID:S6icvlQG
人妬くおもふ心を花ぞのの蝶にうつして臂は張るらむ(橘曙覧)

587 :名無氏物語:2009/09/05(土) 16:59:12 ID:S6icvlQG
香青なる松の末葉に白妙の羽うちつけて鶴舞ひめぐる(橘曙覧)

588 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:02:46 ID:S6icvlQG
白きはね青葉がくれに打ちたたみよそにうつらぬ松の上の鶴(橘曙覧)

589 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:03:47 ID:S6icvlQG
ありとある竹に風もつ谷の奥水の響をそへて鳴りくる(橘曙覧)

590 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:05:01 ID:S6icvlQG
河隈の巌に根はふ竹と竹なびきぞ回る水を狭めて(橘曙覧)

591 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:06:37 ID:S6icvlQG
澗めぐり流るる水をはるばると靡きおくりてつづく竹かな(橘曙覧)

592 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:07:53 ID:S6icvlQG
滑らかに露もつ苔路風ありて下陰くらき竹の奥かな(橘曙覧)

593 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:08:56 ID:S6icvlQG
竹の霜とけて雀の睡るかな三つ一枝に羽をまろめて(橘曙覧)

594 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:23:51 ID:S6icvlQG
茂からぬ一もと竹の細き枝に乗りて親まつ雀の児三つ(橘曙覧)

595 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:24:58 ID:S6icvlQG
山がらと雀と二つ今一つ何鳥なれか竹くぐりをる(橘曙覧)

596 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:27:22 ID:S6icvlQG
竹の霜うちとけ顔に頭三つ集めてかたる友すずめかな(橘曙覧)

597 :名無氏物語:2009/09/05(土) 17:29:25 ID:S6icvlQG
真名鶴の立つる一声鳴きやみて後も響をのこす大空(橘曙覧)

598 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:20:05 ID:S6icvlQG
あるかぎりひろげし翅あさ風にながしやりたる鶴いづこまで(橘曙覧)

599 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:21:50 ID:S6icvlQG
あるじはと人もし問はば軒の松あらしといひて吹きかへしてよ(橘曙覧)

600 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:23:13 ID:S6icvlQG
あるじはととふ人あらば女郎花やどのけしきをみよとこたへよ(鴨長明)

601 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:24:47 ID:S6icvlQG
軒の松あらしはたゆむ梢よりひかりも寒き冬の夜の月(本居宣長)

602 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:26:29 ID:S6icvlQG
なかなかに思へばやすき身なりけり世にひろはれぬ峰のおち栗(橘曙覧)

603 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:27:30 ID:S6icvlQG
あたらしき時代に老いて生きむとす山に落ちたる栗の如くに(斎藤茂吉)

604 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:44:42 ID:S6icvlQG
つくづくと思へばやすき世の中を心となげくわが身なりけり(荒木田長延)

605 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:45:51 ID:S6icvlQG
抜くからに身をさむくする秋の霜こころにしみてうれしかりけり(橘曙覧)

606 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:48:44 ID:S6icvlQG
国汚す奴あらばと太刀抜きて仇にもあらぬ壁に物いふ(橘曙覧)

607 :名無氏物語:2009/09/05(土) 21:49:47 ID:S6icvlQG
山吹のみのひとつだに無き宿はかさも二つはもたぬなりけり(橘曙覧)

608 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:03:06 ID:S6icvlQG
白雲の行きかひのみを見おくりて今日もさしけり蓬生の門(橘曙覧)

609 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:05:42 ID:S6icvlQG
たてがみをとらへまたがり裸うまを吾嬬男子あらなづけする(橘曙覧)

610 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:18:20 ID:S6icvlQG
夕貌の花しらじらと咲きめぐる賤が伏屋に馬洗ひをり(橘曙覧)

611 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:29:27 ID:S6icvlQG
着る物の縫ひめ縫ひめに子をひりてしらみの神世始まりにけり(橘曙覧)

612 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:37:42 ID:S6icvlQG
綿いりの縫目に頭さしいれてちぢむ蝨よわがおもふどち(橘曙覧)

613 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:40:31 ID:S6icvlQG
やをら出でてころものくびを匍匐き我に恥見する蝨どもかな(橘曙覧)

614 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:42:11 ID:S6icvlQG
こぼれ糸纚につくりて魚とると二郎太郎三郎川に日くらす(橘曙覧)

615 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:43:17 ID:S6icvlQG
とくとくと垂りくる酒のなりひさごうれしき音をさするものかな(橘曙覧)

616 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:44:37 ID:S6icvlQG
煖むる酒のにほひにほだされて今日も家路を黄昏にしつ(橘曙覧)

617 :名無氏物語:2009/09/05(土) 22:45:50 ID:S6icvlQG
日のひかりいたらぬ山の洞のうちに火ともし入りてかね堀り出だす(橘曙覧)

618 :名無氏物語:2009/09/05(土) 23:16:08 ID:TktuM1nC
思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを (小野小町)

619 :名無氏物語:2009/09/06(日) 13:53:04 ID:FH5udoAC
赤裸の男子むれゐて鉱のまろがり砕く鎚うち揮りて(橘曙覧)

620 :名無氏物語:2009/09/06(日) 13:54:18 ID:FH5udoAC
さひづるや碓たててきらきらとひかる塊つきて粉にする(橘曙覧)

621 :名無氏物語:2009/09/06(日) 13:55:15 ID:FH5udoAC
筧かけとる谷水にうち浸しゆれば白露手にこぼれくる(橘曙覧)

622 :名無氏物語:2009/09/06(日) 13:56:03 ID:FH5udoAC
黒けぶり群がりたたせ手もすまに吹き鑠かせばなだれ落つるかね(橘曙覧)

623 :名無氏物語:2009/09/06(日) 13:57:07 ID:FH5udoAC
鑠くれば灰とわかれてきはやかにかたまり残る白銀の玉(橘曙覧)

624 :名無氏物語:2009/09/06(日) 13:58:23 ID:FH5udoAC
銀の玉をあまたに筥に収れ荷の緒かためて馬馳らする(橘曙覧)

625 :名無氏物語:2009/09/06(日) 13:59:51 ID:FH5udoAC
しろがねの荷負へる馬を牽きたてて御貢つかふる御世のみさかえ(橘曙覧)

626 :名無氏物語:2009/09/06(日) 14:28:21 ID:FH5udoAC
眉白き翁出で来て千とせ経る門の山まつ撫でほむるかな(橘曙覧)

627 :名無氏物語:2009/09/06(日) 14:29:07 ID:FH5udoAC
起臥もやすからなくに花がたみ目ならびいます神の目おもへば(橘曙覧)

628 :名無氏物語:2009/09/06(日) 14:35:41 ID:FH5udoAC
口そそぎ手あらひ神を先づ拝む朝のこころを一日わするな(橘曙覧)

629 :名無氏物語:2009/09/06(日) 14:48:17 ID:FH5udoAC
吹く風の目にこそ見えね神々はこの天地にかむづまります(橘曙覧)

630 :名無氏物語:2009/09/06(日) 14:49:11 ID:FH5udoAC
いかで我きたなき心さりさりて神とも神と身をなしとげむ(橘曙覧)

631 :名無氏物語:2009/09/06(日) 14:50:00 ID:FH5udoAC
み出でたちつづく小笠のはるばるとかくれゆくまでうち眺めをり(橘曙覧)

632 :名無氏物語:2009/09/06(日) 14:50:58 ID:FH5udoAC
なにをして白髪おひつつ老いけむとかひなき我をいかりたまはむ(橘曙覧)

633 :名無氏物語:2009/09/06(日) 14:52:10 ID:FH5udoAC
壁くぐる竹に肩擦る窓のうち身じろぐたびに彼も枝振る(橘曙覧)

634 :名無氏物語:2009/09/06(日) 14:53:21 ID:FH5udoAC
膝いるるばかりもあらぬ艸の屋を竹にとられて身をすぼめをり(橘曙覧)

635 :名無氏物語:2009/09/06(日) 15:02:21 ID:FH5udoAC
撫でやまぬ火桶のいろにならひもてみがきをゆかむ歌の上をも(橘曙覧)

636 :名無氏物語:2009/09/06(日) 15:09:30 ID:FH5udoAC
よそありきしつつ帰ればさびしげになりて火桶のすわりをるかな(橘曙覧)

637 :名無氏物語:2009/09/06(日) 15:12:10 ID:FH5udoAC
米の泉なほたらずけり歌をよみ文を作りて売りありけども(橘曙覧)

638 :名無氏物語:2009/09/06(日) 15:14:09 ID:FH5udoAC
水車ころも縫ふ世となりにけり岩根木根立物言ひいでむ(橘曙覧)

639 :名無氏物語:2009/09/06(日) 15:16:09 ID:FH5udoAC
眼前いまも神代ぞ神無くは艸木も生ひじ人もうまれじ(橘曙覧)

640 :名無氏物語:2009/09/06(日) 15:17:31 ID:FH5udoAC
影垂るる星にせまりて薄黒き色たたなはるおぼろ夜の山(橘曙覧)

641 :名無氏物語:2009/09/06(日) 15:18:29 ID:FH5udoAC
樵歌鳥のさひづり水の音ぬれたる小艸雲かかる松(橘曙覧)

642 :名無氏物語:2009/09/06(日) 15:19:49 ID:FH5udoAC
吾が歌をよろこび涙こぼすらむ鬼のなく声する夜の窓(橘曙覧)

643 :名無氏物語:2009/09/06(日) 15:21:18 ID:FH5udoAC
灯火のもとに夜な夜な来たれ鬼我がひめ歌の限りきかせむ(橘曙覧)

644 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:12:29 ID:FH5udoAC
人臭き人に聞かする歌ならず鬼の夜ふけて来ばつげもせむ(橘曙覧)

645 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:14:25 ID:FH5udoAC
凡人の耳にはいらじ天地のこころを妙に洩らすわがうた(橘曙覧)

646 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:15:51 ID:FH5udoAC
たのしみは艸のいほりの莚敷きひとりこころを静めをるとき(橘曙覧)

647 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:17:56 ID:FH5udoAC
たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起こすも知らで寝し時(橘曙覧)

648 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:18:47 ID:FH5udoAC
たのしみは珍しき書人にかり始め一ひらひろげたる時(橘曙覧)

649 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:19:38 ID:FH5udoAC
たのしみは紙をひろげてとる筆の思ひの外に能くかけし時(橘曙覧)

650 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:44:31 ID:FH5udoAC
たのしみは百日ひねれど成らぬ謌のふとおもしろく出できぬる時(橘曙覧)

651 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:46:38 ID:FH5udoAC
たのしみは妻子むつまじくうちつどひ頭ならべて物をくふ時(橘曙覧)

652 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:48:06 ID:FH5udoAC
たのしみは物をかかせて善き価惜しみげもなく人のくれし時(橘曙覧)

653 :名無氏物語:2009/09/06(日) 21:49:01 ID:FH5udoAC
たのしみは空暖かにうち晴れし春秋の日に出でありく時(橘曙覧)

654 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:09:09 ID:FH5udoAC
たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時(橘曙覧)

655 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:10:15 ID:FH5udoAC
たのしみは心にうかぶはかなごと思ひつづけて煙艸すふとき(橘曙覧)

656 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:11:09 ID:FH5udoAC
たのしみは意にかなふ山水のあたりしづかに見てありくとき(橘曙覧)

657 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:12:14 ID:FH5udoAC
たのしみは尋常ならぬ書に画にうちひろげつつ見もてゆく時(橘曙覧)

658 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:13:12 ID:FH5udoAC
たのしみは常に見なれぬ鳥の来て軒遠からぬ樹に鳴きしとき(橘曙覧)

659 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:14:05 ID:FH5udoAC
たのしみはあき米櫃に米いでき今一月はよしといふとき(橘曙覧)

660 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:15:37 ID:FH5udoAC
たのしみは物識人に稀にあひて古しへ今を語りあふとき(橘曙覧)

661 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:16:50 ID:FH5udoAC
たのしみは門売りありく魚買ひて烹る鐺の香を鼻に嗅ぐ時(橘曙覧)

662 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:36:58 ID:FH5udoAC
たのしみはまれに魚烹て児等皆がうましうましといひて食ふ時(橘曙覧)

663 :名無氏物語:2009/09/06(日) 22:38:02 ID:FH5udoAC
たのしみはそぞろ読みゆく書の中に我とひとしき人をみし時(橘曙覧)

664 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:02:45 ID:FH5udoAC
たのしみは雪ふるよさり酒の糟あぶりて食ひて火にあたる時(橘曙覧)

665 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:06:14 ID:FH5udoAC
たのしみは書よみ倦めるをりしもあれ声知る人の門たたく時(橘曙覧)

666 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:07:37 ID:FH5udoAC
たのしみは世に解きがたくする書の心をひとりさとり得し時(橘曙覧)

667 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:09:26 ID:FH5udoAC
たのしみは銭なくなりてわびをるに人の来りて銭くれし時(橘曙覧)

668 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:10:40 ID:FH5udoAC
たのしみは炭さしすてておきし火の紅くなりきて湯の煮ゆる時(橘曙覧)

669 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:11:47 ID:FH5udoAC
たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき(橘曙覧)

670 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:14:03 ID:FH5udoAC
たのしみは昼寝せしまに庭ぬらしふりたる雨をさめてしる時(橘曙覧)

671 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:14:48 ID:FH5udoAC
たのしみは昼寝目ざむる枕べにことことと湯の煮えてある時(橘曙覧)

672 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:35:57 ID:FH5udoAC
たのしみは湯わかしわかし埋火を中にさし置きて人とかたる時(橘曙覧)

673 :名無氏物語:2009/09/06(日) 23:36:59 ID:FH5udoAC
たのしみはとぼしきままに人集め酒飲め物を食へといふ時(橘曙覧)

674 :名無氏物語:2009/09/07(月) 13:56:01 ID:FgM8kkwM
たのしみは客人えたる折しもあれ瓢に酒のありあへる時(橘曙覧)

675 :名無氏物語:2009/09/07(月) 13:57:06 ID:FgM8kkwM
たのしみは家内五人五たりが風だにひかでありあへる時(橘曙覧)

676 :名無氏物語:2009/09/07(月) 13:58:19 ID:FgM8kkwM
たのしみは機おりたてて新しきころもを縫ひて妻が着する時(橘曙覧)

677 :名無氏物語:2009/09/07(月) 13:59:13 ID:FgM8kkwM
たのしみは三人の児どもすくすくと大きくなれる姿みる時(橘曙覧)

678 :名無氏物語:2009/09/07(月) 13:59:54 ID:FgM8kkwM
たのしみは人も訪ひこず事もなく心をいれて書を見る時(橘曙覧)

679 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:31:51 ID:FgM8kkwM
たのしみは明日物くるといふ占を咲くともし火の花にみる時(橘曙覧)

680 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:34:01 ID:FgM8kkwM
たのしみはたのむをよびて門あけて物もて来つる使えし時(橘曙覧)

681 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:35:17 ID:FgM8kkwM
たのしみは木芽瀹やして大きなる饅頭を一つほほばりし時(橘曙覧)

682 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:37:45 ID:FgM8kkwM
たのしみはつねに好める焼豆腐うまく烹たてて食はせける時(橘曙覧)

683 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:39:15 ID:FgM8kkwM
たのしみは小豆の飯の冷えたるを茶漬てふ物になしてくふ時(橘曙覧)

684 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:40:53 ID:FgM8kkwM
たのしみはいやなる人の来たりしが長くもをらでかへりける時(橘曙覧)

685 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:42:14 ID:FgM8kkwM
たのしみは田づらに行きしわらは等が耒鍬とりて帰りくる時(橘曙覧)

686 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:43:08 ID:FgM8kkwM
たのしみは衾かづきて物がたりいひをるうちに寝入りたる時(橘曙覧)

687 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:50:33 ID:FgM8kkwM
たのしみはわらは墨するかたはらに筆の運びを思ひをる時(橘曙覧)

688 :名無氏物語:2009/09/07(月) 14:51:39 ID:FgM8kkwM
たのしみは好き筆をえて先づ水にひたしねぶりて試みる時(橘曙覧)

689 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:11:33 ID:FgM8kkwM
たのしみは庭にうゑたる春秋の花のさかりにあへる時時(橘曙覧)

690 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:12:35 ID:FgM8kkwM
たのしみはほしかりし物銭ぶくろうちかたぶけてかひえたる時(橘曙覧)

691 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:13:22 ID:FgM8kkwM
たのしみは神の御国の民として神の教へをふかくおもふ時(橘曙覧)

692 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:14:06 ID:FgM8kkwM
たのしみは戎夷よろこぶ世の中に皇国忘れぬ人を見る時(橘曙覧)

693 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:15:10 ID:FgM8kkwM
たのしみは鈴屋大人の後に生まれその御諭をうくる思ふ時(橘曙覧)

694 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:16:07 ID:FgM8kkwM
たのしみは数ある書を辛くしてうつし竟へつつとぢて見る時(橘曙覧)

695 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:17:04 ID:FgM8kkwM
たのしみは野寺山里日をくらしやどれといはれやどりける時(橘曙覧)

696 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:18:05 ID:FgM8kkwM
たのしみは野山のさとに人遇ひて我を見しりてあるじする時(橘曙覧)

697 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:43:35 ID:FgM8kkwM
たのしみはふと見てほしくおもふ物辛くはかりて手にいれし時(橘曙覧)

698 :名無氏物語:2009/09/07(月) 15:45:13 ID:FgM8kkwM
おくれても生れし我か同じ世にあらば履をもとらまし翁に(橘曙覧)

699 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:01:34 ID:FgM8kkwM
宿しめて風もしられぬ華を今も見つつますらむやまむろの山(橘曙覧)

700 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:03:16 ID:FgM8kkwM
むらさきに匂へる山よ透きとほる水の流れよ見あく時無き(橘曙覧)

701 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:04:21 ID:FgM8kkwM
地の上に堕ちて朽ちけむ菓の瓤くろめて蟻のむらがる(橘曙覧)

702 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:05:07 ID:FgM8kkwM
群よびにひとつ奔ると見るがうちに長々しくもつくる蟻みち(橘曙覧)

703 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:08:32 ID:FgM8kkwM
蟻と蟻うなづきあひて何か事ありげに奔る西へ東へ(橘曙覧)

704 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:09:22 ID:FgM8kkwM
幽世に入るとも吾は現世に在るとひとしく歌をよむのみ(橘曙覧)

705 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:18:52 ID:FgM8kkwM
歌よみて游ぶ外なし吾はただ天にありとも地にありとも(橘曙覧)

706 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:20:30 ID:FgM8kkwM
人臭き世にはおかざる我がこころすみかを問はば山のしら雲(橘曙覧)

707 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:21:24 ID:FgM8kkwM
天地の間に隔てなき魂をしばらく体のつつみをるなり(橘曙覧)

708 :名無氏物語:2009/09/07(月) 16:22:36 ID:FgM8kkwM
体といふ宅はなるれば天地と我の間に垣一重なし(橘曙覧)

709 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:00:49 ID:FgM8kkwM
物皆を立つ雲霧と思へれば見る目嗅ぐ鼻幽世と同じ(橘曙覧)

710 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:02:30 ID:FgM8kkwM
美豆山の青垣山の神樹葉の茂みが奥に吾が魂こもる(橘曙覧)

711 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:03:16 ID:FgM8kkwM
厳凝と神習ゆく斯の吾が魂いよよますます厳凝してむ(橘曙覧)

712 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:04:07 ID:FgM8kkwM
何わざも吾が国体にあひあはず痛く重みし物すべきなり(橘曙覧)

713 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:05:31 ID:FgM8kkwM
事により彼が善き事もちふとも心さへにはうちかたぶくな(橘曙覧)

714 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:12:55 ID:FgM8kkwM
其のわざを取り用ふれば自ら心もそれにうつる恐れあり(橘曙覧)

715 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:13:54 ID:FgM8kkwM
目のまへの事いふならず禍ひの遺らむ末の世を思ふなり(橘曙覧)

716 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:14:56 ID:FgM8kkwM
肝冷す腰の白蛇吾が魂はうづみ鎮めつ山松の根に(橘曙覧)

717 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:16:33 ID:FgM8kkwM
水奔る白蛇なしてきらめける焼太刀見れば独りゑまれつ(橘曙覧)

718 :名無氏物語:2009/09/07(月) 17:17:32 ID:FgM8kkwM
百千歳との曇りのみしつる空きよく晴れゆく時片まけぬ(橘曙覧)

719 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:19:29 ID:FgM8kkwM
あたらしくなる天地を思ひきや吾が目昧まぬうちに見んとは(橘曙覧)

720 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:20:29 ID:FgM8kkwM
友ほしく何おもひけむ歌といひ書といふ友ある我にして(橘曙覧)

721 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:21:48 ID:FgM8kkwM
友無きはさびしかりけり然りとて心うちあはぬ友もほしなし(橘曙覧)

722 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:23:31 ID:FgM8kkwM
ほしかるは語りあはるる友一人見べき山水ただ一ところ(橘曙覧)

723 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:24:21 ID:FgM8kkwM
艸の庵さひづりめぐる朝すずめ寝耳に聞きて時うつすかな(橘曙覧)

724 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:25:14 ID:FgM8kkwM
天皇の大御使と聞くからにはるかにをがむ膝をり伏せて(橘曙覧)

725 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:26:17 ID:FgM8kkwM
天の下清く払ひて上古の御まつりごとに復るよろこべ(橘曙覧)

726 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:43:57 ID:FgM8kkwM
天皇は神にしますぞ天皇の勅としいはばかしこみまつれ(橘曙覧)

727 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:44:43 ID:FgM8kkwM
湛へつる器の水に鰭ふらせ海川見ざる目をよろこばす(橘曙覧)

728 :名無氏物語:2009/09/07(月) 21:46:19 ID:FgM8kkwM
顔のうへに水はじかせて飛ぶ魚を見かへるだにも眉たゆきなり(橘曙覧)

729 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:01:13 ID:FgM8kkwM
窓の月浮べる水に魚躍るわが枕辺の広沢の池(橘曙覧)

730 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:02:07 ID:FgM8kkwM
ひれはねて小さき魚のとぶ音に寝るともなくて寝る目あけらる(橘曙覧)

731 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:03:28 ID:FgM8kkwM
雲ならで通はぬ峰の石かげに神世のにほひ吐く草の華(橘曙覧)

732 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:04:54 ID:FgM8kkwM
八十神も役ち守らひ山川も依りて仕ふるいでましの道(弁玉)

733 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:05:39 ID:FgM8kkwM
枝かはし五十の駅の並松も天の御蔭とみゆき仕へり(弁玉)

734 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:06:50 ID:FgM8kkwM
袖に置く涙のつゆにうつしませ逢ふがまほしと恋ふる御影を(和宮)

735 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:17:03 ID:FgM8kkwM
ことしこそのどけさおぼゆ去年までは春を春とも知らざりし身の(和宮)

736 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:17:57 ID:FgM8kkwM
めぐみある御代にひかれてあづさ弓都のはるに逢ふがうれしさ(和宮)

737 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:18:57 ID:FgM8kkwM
惜しまじな君と民とのためならば身は武蔵野の露と消ゆとも(和宮)

738 :名無氏物語:2009/09/07(月) 22:20:25 ID:FgM8kkwM
うつせみの唐織衣なにかせむ綾も錦も君ありてこそ(和宮)

739 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:10:46 ID:FgM8kkwM
我が恋は細谷川の水なれやすゑにくははる音聞ゆなり(西行)

740 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:12:54 ID:FgM8kkwM
さやけさはおとにのみこそきこゆなれ細谷川の春のよの月(兼好)

741 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:14:37 ID:FgM8kkwM
帯にせる細谷川の朝風にむすぼほれぬる鶯の声(心敬)

742 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:26:44 ID:FgM8kkwM
けふぞみる細谷川のおとにのみききわたりにしきびの中山(木下長嘯子)

743 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:28:28 ID:FgM8kkwM
有馬山猪名の笹原風ふけばいでそよ人を忘れやはする(大弐三位)

744 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:29:37 ID:FgM8kkwM
へだてゆくゐな野の原の夕霧に宿ありとても誰かとふべき(宗良親王)

745 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:31:12 ID:FgM8kkwM
あしびきの山べにすめばすべをなみ樒摘みつつこの日暮らしつ(良寛)

746 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:32:12 ID:FgM8kkwM
水のおもにしづく花の色さやかにも君がみかげの思ほゆるかな(小野篁)

747 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:48:59 ID:FgM8kkwM
さざなみの比良の大わだ秋たけてよどめる淀に月ぞすみける(賀茂真淵)

748 :名無氏物語:2009/09/07(月) 23:50:51 ID:FgM8kkwM
野辺みれば尾花がもとの思ひ草かれゆく冬になりぞしにける(和泉式部)

749 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:01:44 ID:EgFnt5O9
暮れはつる尾花がもとの思ひ草はかなの野辺の露のよすがや(俊成卿女)

750 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:03:23 ID:EgFnt5O9
敷妙の枕はかへじわぎもこが寝くたれ髪にふれてしものを(藤原教長)

751 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:04:37 ID:EgFnt5O9
夕されば潮風さむし波間よりみゆる小島に雪はふりつつ(源実朝)

752 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:05:23 ID:EgFnt5O9
いとはじや親のかふこのいぶせさもかかるふせやのならひと思へば(宗良親王)

753 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:07:12 ID:EgFnt5O9
しづが屋の親のかふこが白妙にまゆひらけたる夕顔の花(正徹)

754 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:09:24 ID:EgFnt5O9
いこま山むら雨とほくいづる月雲もかくさぬ嵐ふくらし(藤原家隆)

755 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:31:49 ID:EgFnt5O9
ながむれば雲だにみえず生駒山いくへかかすみ春の明ぼの(源具親)

756 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:32:59 ID:EgFnt5O9
いこま山雲のいにしへしらねどもはれぬしぐれにおもひわびつつ(後鳥羽院)

757 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:36:27 ID:EgFnt5O9
へだつとてうらみぬ雲は伊駒山君があたりの桜なりけり(宗尊親王)

758 :名無氏物語:2009/09/08(火) 00:38:56 ID:EgFnt5O9
君があたりそこともみえず生駒山雲をへだつる春のかすみに(藤原為理)

759 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:00:31 ID:EgFnt5O9
いくへかは雲もへだつる伊駒山あたりぞみえぬ五月雨のころ(尭孝)

760 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:01:49 ID:EgFnt5O9
忘れては雲やかくすと伊駒山うらみもすべきみねの雪かな(三条西実隆)

761 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:03:19 ID:EgFnt5O9
うらむなよ雨はふるとも生駒山もみぢをいそぐ秋のひところ(三条西実隆)

762 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:04:35 ID:EgFnt5O9
けふもまたながめやるかな生駒山たのまぬものの夕ぐれの空(木下長嘯子)

763 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:05:31 ID:EgFnt5O9
たま川やをちの砧にならすなりこやさらしけるてづくりの布(殷富門院大輔)

764 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:07:14 ID:EgFnt5O9
てづくりやさらすかきねの朝露をつらぬきとむる玉川の里(藤原定家)

765 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:08:39 ID:EgFnt5O9
玉河に玉ちるばかりたつ浪を妹が手づくりさらすとぞみる(楫取魚彦)

766 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:15:44 ID:EgFnt5O9
玉川や千村五百村手づくりをさらしそふると見ゆる月かな(橘千蔭)

767 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:16:38 ID:EgFnt5O9
血縁の何ぞさらさら麻の葉の夏蒲團秋風に晒して(塚本邦雄)

768 :名無氏物語:2009/09/08(火) 01:17:29 ID:EgFnt5O9
秋の夜はちくまの川のさざれ石も玉とみるまですめる月かな(松永貞徳)

769 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:25:50 ID:EgFnt5O9
うちおける板目に切れし黒髪をゆゆしと見つつ夫子や歎かん(加納諸平)

770 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:26:57 ID:EgFnt5O9
もみぢ葉の小雨に朽ちし弥彦は月より高く神さびにけり(加納諸平)

771 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:27:40 ID:EgFnt5O9
見わたせば大海の原に立つ霞奥かも知らに無き人思ほゆ(鹿持雅澄)

772 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:28:22 ID:EgFnt5O9
ふるさとといかでなりけむ花みれば昔今とも春はわかれで(斎宮女御)

773 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:29:09 ID:EgFnt5O9
とまらじな四方の時雨の古郷となりにしならの霜の朽ち葉は(藤原定家)

774 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:30:23 ID:EgFnt5O9
故郷となりにしかども桜さく春や昔の志賀の花園(俊成卿女)

775 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:31:23 ID:EgFnt5O9
古郷と成りにし小野の朝露にぬれつつにほふやまとなでしこ(源実朝)

776 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:32:23 ID:EgFnt5O9
たれかまた思ひ出づらむ故郷となりにし奈良の山の端の月(藤原為家)

777 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:46:42 ID:EgFnt5O9
古里となりにし奈良の飛鳥にも昔かはらぬ月は澄みけり(望月長孝)

778 :名無氏物語:2009/09/08(火) 14:47:40 ID:EgFnt5O9
とればけぬわくればこぼる枝ながらよしみやぎのの萩の下露(藤原定家)

779 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:03:32 ID:EgFnt5O9
秋萩に玉ぬくのべの夕露をよしやみださで宿ながら見む(藤原定家)

780 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:04:22 ID:EgFnt5O9
はげしさはこの比よりもたつた山松の嵐に紅葉みだれて(藤原定家)

781 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:05:15 ID:EgFnt5O9
龍田山あらしや嶺によわるらむ渡らぬ水も錦たえけり(宮内卿)

782 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:07:55 ID:EgFnt5O9
是もまた都の秋の紅葉ばをわたらば錦中川の水(正徹)

783 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:20:48 ID:EgFnt5O9
唐錦もみぢみだれて埋むらん渡らぬ橋の中はたえけり(後柏原天皇)

784 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:25:09 ID:EgFnt5O9
あまの川わたらば錦中たえねもみぢの橋のあけがたの空(契沖)

785 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:32:25 ID:EgFnt5O9
葦鶴の声をほにあげて我が恋はあまの川原に今ぞふなづる(賀茂保憲女)

786 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:33:11 ID:EgFnt5O9
初雁も声をほにあげて慕ひきぬ天の戸渡る月のみ舟を(後水尾院)

787 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:34:01 ID:EgFnt5O9
行きかへる潮路は八重の霧の中に声を帆にあげてうたふ舟人(武者小路実陰)

788 :名無氏物語:2009/09/08(火) 15:35:40 ID:EgFnt5O9
あだに散る梢の花をながむれば庭には消えぬ雪ぞつもれる(西行)

789 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:00:54 ID:EgFnt5O9
おしなべてかすみかかれる海山をみなわが国と春は来にけり(藤原基家)

790 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:02:07 ID:EgFnt5O9
みちのくの安達が原の黒塚に鬼籠れりと聞くはまことか(平兼盛)

791 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:03:03 ID:EgFnt5O9
年ごとに人はやらへど目に見えぬ心の鬼はゆく方もなし(賀茂保憲女)

792 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:04:04 ID:EgFnt5O9
さらしなや姨捨山の高嶺より嵐をわけていづる月かげ(藤原家隆)

793 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:05:14 ID:EgFnt5O9
てる日影むかへる壁に夕立のかかりてかわく風ぞ匂へる(正徹)

794 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:06:11 ID:EgFnt5O9
ふかみ草やへのにほひの窓のうちにぬれて色こき夕だちの空(慈円)

795 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:07:15 ID:EgFnt5O9
春くればこほりをはらふ谷風の音にぞつづく山河のみづ(慈円)

796 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:08:06 ID:EgFnt5O9
春風のこほりをはらふ池水はやどれる月の影もあらたに(藤原定家)

797 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:17:03 ID:EgFnt5O9
ほどもなくあはれもふかきながめかなこまかにつもる夕ぐれのゆき(藤原雅経)

798 :名無氏物語:2009/09/08(火) 16:17:59 ID:EgFnt5O9
うかりけるたがねぎごとの神な月あはれなげきの杜ぞ時雨るる(宗尊親王)

799 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:04:29 ID:EgFnt5O9
おも影のそれかと見えし春秋もきえて忘るる雪の明ぼの(藤原定家)

800 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:07:59 ID:EgFnt5O9
思ひつつぬるよかたらふ時鳥さめざらましの夢か現か(俊成卿女)

801 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:09:10 ID:EgFnt5O9
下荻もおきふしまちの月の色に身を吹きしをる床の秋風(藤原定家)

802 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:10:29 ID:EgFnt5O9
すみすてて刈田にのこる杉柱秋のしるしも見えぬいほかな(藤原為実)

803 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:12:43 ID:EgFnt5O9
たちよらんかげも夏野の草むらに露を求めて飛ぶこてふかな(蓮月)

804 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:16:22 ID:EgFnt5O9
星うたふ声にもしるしちはやぶる神の鏡はただここにます(長慶天皇)

805 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:18:18 ID:EgFnt5O9
夕されば雲雀の声のさざなみを麦生によせて春風ぞ吹く(加納諸平)

806 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:19:07 ID:EgFnt5O9
水よりもすずしかりけり薄物の片身をもるる夏虫の影(加納諸平)

807 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:44:50 ID:EgFnt5O9
みづ垣の久しかるべき君が代を天照神やそらにしるらん(藤原為忠)

808 :名無氏物語:2009/09/08(火) 17:46:25 ID:EgFnt5O9
物言はぬ四方のけだものすらだにも哀れなるかなや親の子を思ふ(源実朝)

809 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:00:14 ID:EgFnt5O9
山にすむ鳥けだものを見てぞ知る人のかたちは承けがたき世を(正徹)

810 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:01:42 ID:EgFnt5O9
里の犬のなほ深山辺に慕ひくるを心の奥に思ひはなちつ(慈円)

811 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:03:42 ID:EgFnt5O9
ゑのころは早もあるじを見知りけり呼べば尾ふりの嬉し顔なる(香川景樹)

812 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:05:48 ID:EgFnt5O9
夕まぐれ野飼ひの牛は歩みきて霞める道に逢ふ人もなし(正徹)

813 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:06:50 ID:EgFnt5O9
放ちかふ夏野の牛もかたよるや水草清き杜の下道(肖柏)

814 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:08:57 ID:EgFnt5O9
朝まだき楢の枯葉をそよそよと外山を出でてましら鳴くなり(源顕仲)

815 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:24:46 ID:EgFnt5O9
奥山の木の実とりはむ猿すらも春は花咲く枝にまじれり(楫取魚彦)

816 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:26:07 ID:EgFnt5O9
猫の子はねずみ捕るまでなりにけり何に暮らせし月日なるらむ(香川景樹)

817 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:27:29 ID:EgFnt5O9
梅が香に鎖さぬ外面を唐猫のしのびて過ぐる夕月夜かな(蓮月)

818 :名無氏物語:2009/09/08(火) 18:28:50 ID:EgFnt5O9
うるはしき猫日和かもこともなく白猫抱き歩みゆかなむ(山中智恵子)

819 :名無氏物語:2009/09/08(火) 19:01:18 ID:EgFnt5O9
虎とのみ用ゐられしは昔にて今はねずみのあなう世の中(宗尊親王)

820 :名無氏物語:2009/09/08(火) 19:02:22 ID:EgFnt5O9
わが顔を壁の穴よりうかがひつ鼠の友とおもふなるべし(安藤野雁)

821 :名無氏物語:2009/09/08(火) 19:04:22 ID:EgFnt5O9
真荒男が手どりにしつる虎の血のたばしり赤し門の白雪(橘曙覧)

822 :名無氏物語:2009/09/08(火) 19:06:04 ID:EgFnt5O9
浮き草を雲とやいとふ夏の池の底なる魚も月をながめば(源頼政)

823 :名無氏物語:2009/09/08(火) 19:07:05 ID:EgFnt5O9
ふるとしの雪の白魚さくらだひ春の境の海にてぞひく(熊谷直好)

824 :名無氏物語:2009/09/08(火) 19:08:09 ID:EgFnt5O9
朝寒くかたちかすけき白魚に魚の香のあることを寂しむ(佐藤佐太郎)

825 :名無氏物語:2009/09/08(火) 19:10:00 ID:EgFnt5O9
おのづから心や澄める山里の岩に苔むす庭のやり水(嘉喜門院)

826 :名無氏物語:2009/09/08(火) 19:10:47 ID:EgFnt5O9
ゆく人は絶えて木の間をもる月の影こそかよへ苔のふる道(大内政弘)

827 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:30:09 ID:EgFnt5O9
日影はふ繁みが下に苔むして緑のふかき山の峡かな(源国信)

828 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:31:33 ID:EgFnt5O9
幾世へぬかざし折りけむいにしへに三輪の檜原の苔の通ひ路(定家)

829 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:33:50 ID:EgFnt5O9
いにしへの七の賢き人もみな竹をかざして年ぞ経にける(藤原仲実)

830 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:34:44 ID:EgFnt5O9
月きよみ玉のみぎりの呉竹に千代をならせる秋風ぞ吹く(藤原定家)

831 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:36:41 ID:EgFnt5O9
窓近き一むら竹の小夜嵐うき世の夢のへだてなりけり(伴林光平)

832 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:37:33 ID:EgFnt5O9
思ひあまりうちぬる宵のまぼろしも波路を分けて行きかよひけり(鴨長明)

833 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:38:19 ID:EgFnt5O9
思ひ寝の夢路を遠み覚めゆけば分けこし胸にさわぐ笹原(正徹)

834 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:39:00 ID:EgFnt5O9
行方なき夜半のながめや松浦潟ひれふる山の有明の月(肖柏)

835 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:58:42 ID:EgFnt5O9
思ふには月日ぞ遠き今来むと言ひしにさはる海山はなし(三条西実隆)

836 :名無氏物語:2009/09/08(火) 21:59:38 ID:EgFnt5O9
思ふとは摘み知らせてきひひな草わらは遊びの手たはぶれより(源仲正)

837 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:01:29 ID:EgFnt5O9
岩がくれ咲けるつつじの人しれず残れる春の色もめづらし(永福門院)

838 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:02:49 ID:EgFnt5O9
行く春も家路わすれよ軒ばまで幾重霞みて山梨の花(正徹)

839 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:03:58 ID:EgFnt5O9
夕涼み閨へも入らぬうたた寝の夢をのこして明くるしののめ(藤原有家)

840 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:04:56 ID:EgFnt5O9
いづれ憂き入りぬる磯の夏の夜は見らくすくなき月と夢とに(正徹)

841 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:06:34 ID:EgFnt5O9
うとくなるおのが鳴くねも色みえば青葉の花の山ほととぎす(後水尾院)

842 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:07:21 ID:EgFnt5O9
たづねくるはかなき羽にもにほふらん軒ばの梅の花の初蝶(藤原家隆)

843 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:29:34 ID:EgFnt5O9
惜しみかねまどろむ夢のたましひや花の跡とふ胡蝶とはなる(小沢蘆庵)

844 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:31:23 ID:EgFnt5O9
蝶よ蝶よ花といふ花の咲くかぎり汝がいたらざる所なきかな(香川景樹)

845 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:32:21 ID:EgFnt5O9
うかれきて花野の露にねぶるなりこはたが夢の胡蝶なるらん(蓮月)

846 :名無氏物語:2009/09/08(火) 22:33:20 ID:EgFnt5O9
夢絶えしうきねの袖か波の穂の朝日にぬれて胡蝶とぶなり(加納諸平)

847 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:36:40 ID:EgFnt5O9
言へばえにあはれぞふかき色見えぬながめをつくす春の曙(烏丸光広)

848 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:37:34 ID:EgFnt5O9
月影も見し春の夜の夢ばかり霞に残るあけぼのの空(本居宣長)

849 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:38:26 ID:EgFnt5O9
風かよふ寝覚の袖の花の香にかをる枕の春の夜の夢(俊成卿女)

850 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:39:18 ID:EgFnt5O9
思ひつつただうたた寝の夢の間にいく山越えて花を見つらん(花山院師兼)

851 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:40:21 ID:EgFnt5O9
梅が香に窓もる月をかた敷きてなかばさめゆく春のよの夢(木下長嘯子)

852 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:41:09 ID:EgFnt5O9
逢ふことははかなき春の夢路かなやがてうつろふ花のおもかげ(祇園梶子)

853 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:41:59 ID:EgFnt5O9
春の夜を硝子一重の部屋にねて夢さへほのにうるむ星屑(中河幹子)

854 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:42:54 ID:EgFnt5O9
あしびきの山の桜の色見てぞをちかた人も種はまきける(紀貫之)

855 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:51:12 ID:EgFnt5O9
苗代の水影青みわたるなり早稲田の苗のおひいづるかも(花山院)

856 :名無氏物語:2009/09/08(火) 23:52:03 ID:EgFnt5O9
若草やまづ萌え出でて苗代の緑をいそぐ小田のほそ道(中院通茂)

857 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:00:19 ID:EgFnt5O9
しめはへて水口まつる畔つづき苗代ぐみの花咲きにけり(井上文雄)

858 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:01:21 ID:EgFnt5O9
すくすくと生ひたつ麦に腹すりて燕飛びくる春の山畑(橘曙覧)

859 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:09:29 ID:2nSAD5Z5
そことなく霞む夕べも沓の音にやがて雨しる庭の真砂地(塙保己一)

860 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:10:50 ID:2nSAD5Z5
花鳥もみなゆきかひてむばたまの夜のまに今日の夏は来にけり(紀貫之)

861 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:12:14 ID:2nSAD5Z5
見しやいつ咲き散る花の春の夢覚むるともなく夏は来にけり(正徹)

862 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:14:57 ID:2nSAD5Z5
夏来てはひとつ緑もうすくこき梢におのが色は分かれて(後水尾院)

863 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:16:04 ID:2nSAD5Z5
よもの空はふけしづまりて花の上にただおぼろなる月ひとりのみ(木下長嘯子)

864 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:17:14 ID:2nSAD5Z5
かすが野はただ春の日の下萌えにあらはれそむる風の音かな(順徳院)

865 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:18:09 ID:2nSAD5Z5
摘みすてて帰らんとする春の野のすみれの花に夕日さすなり(木下幸文)

866 :名無氏物語:2009/09/09(水) 00:19:26 ID:2nSAD5Z5
山おろし初瀬の霞吹きまよひこもりもはてぬ花の色々(正徹)

867 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:01:43 ID:2nSAD5Z5
国見すとのぼれば寒き山風にけぶりを漏るる花は誰が門(加納諸平)

868 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:02:49 ID:2nSAD5Z5
見るがうちになほ咲き添ふもうつろふもただつくづくと花ぞかなしき(三条西実隆)

869 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:05:04 ID:2nSAD5Z5
秋ならば月待つことの憂からまし桜に暮らす春の山里(藤原良経)

870 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:06:47 ID:2nSAD5Z5
菅の根の長見の浜の春の日にむれたつたづのゆたに見えけり(賀茂真淵)

871 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:08:02 ID:2nSAD5Z5
世の中をよそに見つつも埋もれ木の埋れておらむ心なき身は(井伊直弼)

872 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:14:24 ID:2nSAD5Z5
花をのみ待つらむ人に山里の雪まの草のはるを見せばや(藤原家隆)

873 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:15:07 ID:2nSAD5Z5
岩が根の磯の初草した萌えて寄すれば青きこよろぎの波(冷泉為相)

874 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:16:07 ID:2nSAD5Z5
雪きゆる沢辺の水のあさ風になびくほどなき春の若草(嘉喜門院)

875 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:16:52 ID:2nSAD5Z5
鏡山みがきそへたる玉椿影もくもらぬ春の空かな(藤原定家)

876 :名無氏物語:2009/09/09(水) 01:18:04 ID:2nSAD5Z5
風にみがく白玉椿今朝見ればかすみにつつむ高砂の山(肖柏)

877 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:47:16 ID:2nSAD5Z5
春にあけて先づ見る書も天地の始めの時と読みいづるかな(橘曙覧)

878 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:48:28 ID:2nSAD5Z5
さえかへる空待ちいでて春ふるや雲のあなたに残るしら雪(烏丸光広)

879 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:49:20 ID:2nSAD5Z5
雨はれぬ椿がもとのにはたづみ花のひびきに驚かれつつ(加納諸平)

880 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:50:21 ID:2nSAD5Z5
朝庭を光り騒がせ吹く風に乙女椿のしきりに落つる(窪田空穂)

881 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:52:07 ID:2nSAD5Z5
風や知るいづくに咲ける梅ならんただ香ばかりの春の夜の闇(正徹)

882 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:53:01 ID:2nSAD5Z5
にほはずはいづれを梅とたどらましこのもと遠く霞む夕日に(冷泉為村)

883 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:53:59 ID:2nSAD5Z5
花を待つ春はとなりになりにけり故郷ちかきみ吉野の山(藤原家隆)

884 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:54:43 ID:2nSAD5Z5
花の色に心もそめぬうなゐ児の昔よりこそ春は待たれし(油谷倭文子)

885 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:58:32 ID:2nSAD5Z5
冬がれの木の葉さはらぬ高嶺よりこほりて出づる月ぞまぢかき(花園院)

886 :名無氏物語:2009/09/09(水) 15:59:23 ID:2nSAD5Z5
山里のもみぢ過ぎぬる冬木には雪の初花咲きかへてけり(康資王母)

887 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:02:29 ID:2nSAD5Z5
あしびきの山は嵐の声もなし一葉のこらぬ冬の梢に(東常縁)

888 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:03:20 ID:2nSAD5Z5
冬枯れの梢を松に吹きまぜてこまかにかはる風の音かな(木下長嘯子)

889 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:04:40 ID:2nSAD5Z5
さびしさに煙をだにも絶たじとて柴折りくぶる冬の山里(和泉式部)

890 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:06:03 ID:2nSAD5Z5
寝覚してかきおどろかす埋み火ぞ冬の夜深き友にはありける(紀伊)

891 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:07:48 ID:2nSAD5Z5
見るも憂き師走の月に埋み火のほのかなるしも影すさまじき(下冷泉政為)

892 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:10:01 ID:2nSAD5Z5
うづみ火のにほふあたりは長閑にて昔がたりも春めきにけり(香川景樹)

893 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:23:16 ID:2nSAD5Z5
むし衾なごやが下の埋み火に足さしのべて寝らくしよしも(本居宣長)

894 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:25:38 ID:2nSAD5Z5
来る人のむかふ吹雪に物言はで雪ふむ音のさゆる道のべ(正徹)

895 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:29:10 ID:2nSAD5Z5
うづもるる垣ねの雪ににほふなり春のとなりにさける梅が枝(頓阿)

896 :名無氏物語:2009/09/09(水) 16:30:02 ID:2nSAD5Z5
冬来てもなほ時あれや庭の菊こと色そむるよもの嵐に(順徳院)

897 :名無氏物語:2009/09/09(水) 17:14:30 ID:2nSAD5Z5
冬草はみながら枯れて紫の一もと菊ににほふ霜かな(正徹)

898 :名無氏物語:2009/09/09(水) 17:15:37 ID:2nSAD5Z5
こと草は枯るる冬野の霜の色をうばひて薫る花もありけり(石川依平)

899 :名無氏物語:2009/09/09(水) 17:17:02 ID:2nSAD5Z5
ときは木のその色となき雪の中も松は松なるすがたぞみゆる(光厳院)

900 :名無氏物語:2009/09/09(水) 17:18:07 ID:2nSAD5Z5
風のおと濤のひびきにかよふまで早生ひのぼれ松よ小松よ(熊谷直好)

901 :名無氏物語:2009/09/09(水) 17:19:16 ID:2nSAD5Z5
人とはぬ都のほかの雪のうちも春のとなりに近づきにけり(式子内親王)

902 :名無氏物語:2009/09/09(水) 17:20:16 ID:2nSAD5Z5
ちりぢりに夕暮かへる市人の別れぞ今日は年の別れ路(本居宣長)

903 :名無氏物語:2009/09/09(水) 17:21:01 ID:2nSAD5Z5
月すめば冬の水なき空とぢて氷をはらふ夜はの木枯し(正徹)

904 :名無氏物語:2009/09/09(水) 22:50:04 ID:2nSAD5Z5
月をこそ眺めなれしか星の夜の深きあはれを今宵知りぬる(建礼門院右京大夫)

905 :名無氏物語:2009/09/09(水) 22:50:53 ID:2nSAD5Z5
都にも時雨やすらん越路には雪こそ冬のはじめなりけれ(宗良親王)

906 :名無氏物語:2009/09/09(水) 22:51:49 ID:2nSAD5Z5
冬はまだ朝けの空も見し秋の面影ながらうち時雨れける(後崇光院)

907 :名無氏物語:2009/09/09(水) 22:53:01 ID:2nSAD5Z5
やらのさき月影さむし沖つ鳥鴨といふ舟うき寝すらしも(源実朝)

908 :名無氏物語:2009/09/09(水) 22:53:49 ID:2nSAD5Z5
冬の木の霜もたまらぬ山風に星のひかりのまさりがほなる(藤原定家)

909 :名無氏物語:2009/09/09(水) 22:54:45 ID:2nSAD5Z5
風のうへに星のひかりは冴えながらわざともふらぬ霰をぞ聞く(藤原定家)

910 :名無氏物語:2009/09/09(水) 22:55:43 ID:2nSAD5Z5
夜は寒み雪ふりはるる暁の嵐にみがく星の影かな(伏見院)

911 :名無氏物語:2009/09/09(水) 22:57:02 ID:2nSAD5Z5
東屋の軒の垂氷にうつろへる光も寒きあかぼしの影(加藤千蔭)

912 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:06:37 ID:2nSAD5Z5
神な月しぐるるものを冬かけて春に似たりと誰か言ひけん(藤原俊成)

913 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:07:43 ID:2nSAD5Z5
この里は冬おく霜のかろければ草の若葉ぞ春の色なる(藤原定家)

914 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:11:16 ID:2nSAD5Z5
火影にも小春てふ名はかくれねどはつかに匂ふ夜の梅が香(鵜殿余野子)

915 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:12:09 ID:2nSAD5Z5
かへり咲く花もありやとたづねみん小春のどけき桜野の宮(熊谷直好)

916 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:13:09 ID:2nSAD5Z5
夢かとも雪よりさきにとひてみよ小野の千種の霜枯の色(貞常親王)

917 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:14:47 ID:2nSAD5Z5
枯れのこる茎うす赤き犬蓼の腹ばふ庭に霜ふりにける(橘曙覧)

918 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:16:22 ID:2nSAD5Z5
嵐吹く空は木の葉のむらだちにこの頃雲の往き来をも見ず(正徹)

919 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:17:38 ID:2nSAD5Z5
森深き神の社の古簾すけきにとまる風の落葉は(上田秋成)

920 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:27:37 ID:2nSAD5Z5
明日伐らむ船木が中にもみぢ葉のこがれて見ゆる足柄の山(加納諸平)

921 :名無氏物語:2009/09/09(水) 23:28:33 ID:2nSAD5Z5
いかにせん人の心は稲妻の光のまにも変はるけしきを(藤原家隆)

922 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:02:13 ID:2nSAD5Z5
諸共にみし世の月の光までおもがはりするこの秋は憂し(後水尾院)

923 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:03:13 ID:2nSAD5Z5
ことのはの変はるにつけて憂き人の心の色もまづ知られつつ(冷泉為秀)

924 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:04:23 ID:2nSAD5Z5
二たびの名残もかなしおき出でて別ると見しは夢に別れて(正徹)

925 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:06:39 ID:bQ9NbRAp
きぬぎぬのちかき形見は寝し床の涙もいまだあたたかにして(正徹)

926 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:16:50 ID:bQ9NbRAp
山里はまだき夜寒になりぬらし真柴のけぶり月に立つみゆ(加納諸平)

927 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:18:49 ID:bQ9NbRAp
刈りのこす稲葉の風に片岡の田づらのくぬぎ音ぞ寒けき(肖柏)

928 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:20:06 ID:bQ9NbRAp
雨そそぐ秋の山田の夕ぐれは案山子の外に立つ人もなし(蓮月)

929 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:21:45 ID:bQ9NbRAp
夜もすがら空ゆく月のかげさえて天の河瀬や秋こほるらむ(吉田兼好)

930 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:23:19 ID:bQ9NbRAp
惜しとおもふ二夜の月の更けがたにただやは人の寝て明かすべき(後崇光院)

931 :名無氏物語:2009/09/10(木) 00:26:00 ID:bQ9NbRAp
いくめぐり秋来る空の西にゐて東に待ちてなれし月影(三条西実隆)

932 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:03:47 ID:bQ9NbRAp
夕月夜まだ初秋の空よりぞ照り増るべき影はことなる(武者小路実陰)

933 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:06:58 ID:bQ9NbRAp
このごろは柑子橘なりまじり木の葉もみづや秋の山里(建礼門院右京大夫)

934 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:25:54 ID:bQ9NbRAp
はらはらとおつる木の葉に交じりきて栗の実ひとり土に声あり(大田垣蓮月)

935 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:28:10 ID:bQ9NbRAp
門すぐる風をしるべに樫の実のひとり出でても拾ふうなゐか(大隈言道)

936 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:31:11 ID:bQ9NbRAp
山がつが餅にせんと木の実つき浸す小川をまたや渡らん(加納諸平)

937 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:33:56 ID:bQ9NbRAp
秋もやや深くなり行く里林柚の実まじりに色づきにけり(井上文雄)

938 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:34:49 ID:bQ9NbRAp
門すぐる風をしるべに樫の実のひとり出でても拾ふうなゐか(加納諸平)

939 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:37:00 ID:bQ9NbRAp
世は色もおとろへぞゆく天人の愁へやくだる秋の夕暮(心敬)

940 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:51:04 ID:bQ9NbRAp
ながめこしいくよの秋の憂さならむ我とはなしの夕暮の空(後水尾院)

941 :名無氏物語:2009/09/10(木) 01:52:16 ID:bQ9NbRAp
稲子麻呂うるさく出でてとぶ秋の日和よろこび人豆を打つ(橘曙覧)

942 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:26:38 ID:bQ9NbRAp
夕霧のたえまにみれば花薄ほのかに誰をまねくなるらむ(肥後)

943 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:27:43 ID:bQ9NbRAp
うちつけにまた来む秋の今宵まで月ゆゑ惜しくなる命かな(西行)

944 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:29:08 ID:bQ9NbRAp
さびしさや思ひよわると月見れば心のそらぞ秋ふかくなる(藤原良経)

945 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:29:58 ID:bQ9NbRAp
麓をば宇治の川霧立ちこめて雲ゐにみゆる朝日山かな(藤原公実)

946 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:36:09 ID:bQ9NbRAp
石ばしる音はかくれず夕霧の衣の滝をたちこむれども(源国信)

947 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:36:58 ID:bQ9NbRAp
吉野川わたりもみえぬ夕霧に簗瀬の浪の音のみぞする(源師頼)

948 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:37:50 ID:bQ9NbRAp
爪木こる小野の山べは霧こめて柴つみ車道やまどへる(肥後)

949 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:38:42 ID:bQ9NbRAp
夕風に鳴くひよ鳥の声落ちて日かげさびしき杉の一むら(柳原安子)

950 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:39:40 ID:bQ9NbRAp
秋立ちて鵙鳴く野べの静けさに萩のさかりはいつかとぞ思ふ(大隈言道)

951 :名無氏物語:2009/09/10(木) 02:40:46 ID:bQ9NbRAp
萩の月ひとへに飽かぬものなれば涙をこめてやどしてぞ見る (伊勢)

952 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:25:44 ID:bQ9NbRAp
萩の花くれぐれまでもありつるが月いでて見るになきがはかなさ(源実朝)

953 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:27:25 ID:bQ9NbRAp
昨日まで盛りを見むと思ひつる萩の花ちれり今日の嵐に(田安宗武)

954 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:31:03 ID:bQ9NbRAp
青白色青白色とぞ朝顔はをとめ子のごと空にのぼりぬ(葛原妙子)

955 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:32:06 ID:bQ9NbRAp
白露とあらそひながら今日もまた扇はえこそ置かれざりけれ(肥後)

956 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:33:18 ID:bQ9NbRAp
打ちよする浪より秋はたつた川さてもわすれぬ柳陰かな(藤原良経)

957 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:34:29 ID:bQ9NbRAp
かざしては夏の日影ぞへだて行く秋風いだす月の扇に(正徹)

958 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:36:33 ID:bQ9NbRAp
秋来ても猶たへがたくあつき日のさすがに暮るる影の程なさ(後水尾院)

959 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:39:06 ID:bQ9NbRAp
朝がほの凋まぬほどに降り晴れて雨より後の秋のあつさは(上田秋成)

960 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:56:34 ID:bQ9NbRAp
下くぐる水に秋こそかよふなれ掬ぶ泉の手さへ涼しき(中務)

961 :名無氏物語:2009/09/10(木) 15:57:46 ID:bQ9NbRAp
すずみ舟よする堅田の浦風に月もゆらるる波の上かな(蓮月)

962 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:11:09 ID:bQ9NbRAp
行く雲もほたるの影もかろげなり来む秋ちかき夕風のそら(賀茂真淵)

963 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:12:11 ID:bQ9NbRAp
暁とつげの枕をそばだてて聞くも悲しき鐘の音かな(藤原俊成)

964 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:13:13 ID:bQ9NbRAp
わが恋はしる人もなしせく床の涙もらすなつげのを枕(式子内親王)

965 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:14:21 ID:bQ9NbRAp
夕立の雲も残らず空晴れてすだれをのぼる宵の月影(永福門院)

966 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:15:29 ID:bQ9NbRAp
吹きしをり野分をならす夕立の風の上なる雲よ木の葉よ(正徹)

967 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:16:33 ID:bQ9NbRAp
山づたひ夕立うつる風さきに木の葉も鳥も吹かれてぞ行く(正徹)

968 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:38:11 ID:bQ9NbRAp
芦の屋のしづはた帯のかた結び心やすくもうちとくるかな(源俊頼)

969 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:39:16 ID:bQ9NbRAp
まだしらぬ人を初めて恋ふるかな思ふ心よ道しるべせよ(肥後)

970 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:40:25 ID:bQ9NbRAp
ほの見しにそのこととなく詠めわびぬこれをや恋の春の夕暮(肖柏)

971 :名無氏物語:2009/09/10(木) 16:41:15 ID:bQ9NbRAp
きのふまで何とはなくて思ふこと今日定まりぬ恋のひとつに(契沖)

972 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:04:37 ID:bQ9NbRAp
日ざかりは遊びてゆかむ影もよし真野の萩原風たちにけり(源俊頼)

973 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:05:29 ID:bQ9NbRAp
水無月の草もゆるがぬ日盛りにあつさぞしげる蝉のもろ声(慈円)

974 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:07:18 ID:bQ9NbRAp
ゆきなやむ牛の歩みに立つ塵の風さへあつき夏の小車(藤原定家)

975 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:08:10 ID:bQ9NbRAp
見わたせば浪もゆるがぬ夏の日に松かげ遠き磯のほそ道(宮内卿)

976 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:09:09 ID:bQ9NbRAp
短夜の名とりの川のはやき瀬にながれてやすく明くる月影(後宇多院)

977 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:10:34 ID:bQ9NbRAp
草あをき谷の木かげの岩づたひ落ちくる水の色の涼しさ(小倉実教)

978 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:11:56 ID:bQ9NbRAp
鵜かひ舟さすやいづくの枝川に光を分けてみゆる篝火(千種有忠)

979 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:13:35 ID:bQ9NbRAp
見る程もなつみの川の短夜の月ぞいりぬる山陰にして(千種有忠)

980 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:35:48 ID:bQ9NbRAp
ともし火に入る夏虫のはかなさを身にたとへても明かしつるかな(源俊頼)

981 :名無氏物語:2009/09/10(木) 17:37:00 ID:bQ9NbRAp
夕かけて小雨こぼるる竹むらの蚊のほそ声に夏を知るかな(加納諸平)

982 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:18:02 ID:bQ9NbRAp
日ざかりに夏野をくればいくたびかおどろく蛇の草隠れゆく(熊谷直好)

983 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:22:18 ID:bQ9NbRAp
あはれにもみさをにもゆる蛍かな声たてつべき此の世と思ふに(源俊頼)

984 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:41:01 ID:bQ9NbRAp
秋ちかし雲ゐまでとやゆく蛍沢べの水に影のみだるる(俊成卿女)

985 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:42:17 ID:bQ9NbRAp
水よりもすずしかりけり薄物の片身をもるる夏虫の影(加納諸平)

986 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:44:09 ID:bQ9NbRAp
涼みにと分け入る道は夏深し裾野につづく森の下草(藤原良経)

987 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:45:24 ID:bQ9NbRAp
賤のをが刈りつかねたる夏草の中にまじれる月草の花(木下幸文)

988 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:46:25 ID:bQ9NbRAp
猫の子の首の鈴金かすかにも音のみしたる夏草のうち(大隈言道)

989 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:47:17 ID:bQ9NbRAp
五月闇はな橘のかをる香にあやなく人の待たれこそすれ(紀伊)

990 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:55:03 ID:bQ9NbRAp
紅にふかくもにほふはちすかな池の心やきよくすむらむ(肥後)

991 :名無氏物語:2009/09/10(木) 18:57:39 ID:bQ9NbRAp
おぼつかないつか晴るべき侘び人の思ふ心やさみだれの空(源俊頼)

992 :名無氏物語:2009/09/10(木) 19:00:10 ID:bQ9NbRAp
さみだれは入江の真菰刈りにこし渡も見えずなりにけるかな(河内)

993 :名無氏物語:2009/09/10(木) 19:01:09 ID:bQ9NbRAp
山もとのけぶりの色も消えはてぬ遠里村の五月雨の暮(永福門院)

994 :名無氏物語:2009/09/10(木) 19:02:02 ID:bQ9NbRAp
あぢさゐの花のよひらにもる月を影もさながら折る身ともがな(源俊頼)

995 :名無氏物語:2009/09/10(木) 19:02:49 ID:bQ9NbRAp
夏もなほ心はつきぬあぢさゐのよひらの露に月もすみけり(藤原俊成)

996 :名無氏物語:2009/09/10(木) 19:03:53 ID:bQ9NbRAp
あぢさゐの下葉にすだく蛍をば四ひらの数の添ふかとぞ見る(藤原定家)

997 :名無氏物語:2009/09/10(木) 19:04:34 ID:bQ9NbRAp
夕月夜ほの見えそめしあぢさゐの花もまどかに咲きみちにけり(加納諸平)

998 :名無氏物語:2009/09/10(木) 20:03:34 ID:bQ9NbRAp
来ぬ人をまつ夜つもりの浦風に遠里小野は衣うつなり(源具親)

999 :名無氏物語:2009/09/10(木) 20:08:09 ID:N7Oohd3c
庭も狭に引きつらなれるもろ人の立ちゐるけふや千世のはつ春」(源俊頼[玉葉])

1000 :名無氏物語:2009/09/10(木) 20:08:12 ID:bQ9NbRAp
山の端に雲の衣を脱ぎ捨ててひとりも月の立ちのぼるかな(源俊頼)

1001 :1001:Over 1000 Thread
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